Wessex Archaeologyの事例: Workplaceを活用して新しい働き方を発見する
Wessex Archaeologyの最高戦略責任者であるGiles Woodhouse氏に、Workplaceの活用が従来の考古学プロセスをどう変化させているか、また、ビジネスに関する知識の発見にどう貢献しているかについて話を聞きました。
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Wessex Archaeologyは、考古学・文化財サービスにおける英国市場のリーダーであり、文化財を通して人々の生活を豊かにすることを目指す教育慈善団体でもあります。
Workplaceで業務を簡素化
オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。
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考古学者やアーキビスト、保存修復の専門家、建築遺産の専門家など、高度な専門技術を持つ300人以上のスタッフを英国全土で雇用しています。そのため、Wessex Archaeologyの日常業務は、研究報告書を書くことから新石器時代中期の古代土器の破片を掘り起こすことまで、多岐にわたっています。
つい最近まで、Wessex Archaeologyの社内では、同社のソールズベリー本部にある遺物の宝庫のみならず、ある重要なものが過去に囚われていました。それは、メール、チームミーティング、月1回の全社ニュースレターから成る社内のコミュニケーションツールです。「私たちは、コミュニケーションに対して、かなり制限的で古風なアプローチをとっていました」とWoodhouse氏は説明します。
その結果、部門間のコラボレーションが難しくなり、ビジネスの可視性が損なわれていました。Wessex Archaeologyの6つのオフィスは地理的に分散しているため、事実上、それぞれサイロ化された状態で運営されていました。さらに、従業員の約3分の1が毎日現場で作業をしているため、貴重な考古学的発見に関する情報が各部門で孤立したままになっていました。
成功に向けてGeneration Digitalと連携
Wessex Archaeologyは、人々とプロジェクトを結びつけるための現代的なモバイル通信プラットフォームを探しており、Woodhouse氏はこのタスクを任されたのです。技術革新管理コンサルティング会社Generation DigitalのマネージングパートナーであるGraham Mackay氏による未来の働き方に関する講演を聞いて、Workplaceが適切なソリューションであることが明らかになりました。
そして2018年10月、Wessex ArchaeologyはWorkplaceの導入を開始しました。Mackay氏とGeneration Digitalのチームは、最初の全社向けデモンストレーションから、経営陣の関与の確保、Workplaceを使ったコミュニケーション戦略の策定まで、導入のあらゆる側面を改善し、加速させることに貢献しました。また、プロジェクトチームの編成、初期リーダーのトレーニング、ワークフローやグループの設定など、プロジェクトが円滑に進むようにさまざまなサポートを提供しました。
Workplaceを使い始めて8週間、WorkplaceはWessex Archaeologyの人々がより密接に、より生産的に仕事をすることを可能にしました。そのことを示す5つの点を以下にご紹介します。
1. 健康に関する福利厚生を充実させ病欠を低減
Woodhouse氏がWorkplaceで始めた最初のプロジェクトのひとつは、インフルエンザ対策としてスタッフにインフルエンザの予防接種を提供することでした。きっかけは、Workplaceの「アイデアハブ」グループでスタッフから出された提案でした。Woodhouse氏は「社内ニュース」グループで投稿を共有し、メリットについての議論を促し、Workplaceのアンケート機能で社内の関心度を調べました。このアンケートは大きな反響を呼び、2週間後には接種券が社内全体に配布されました。
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Workplaceのアンケート機能
この取り組みの効果を実感するにはまだ時期尚早ですが、スタッフの病欠が目に見えて減り、このような会社の福利厚生の可視性を高めることが期待されています。Woodhouse氏は、「Workplaceを導入する前は、会社の事業に対する意識が低く、従来のコミュニケーション手段が十分に人々の心に届いていないことが明らかでした」と指摘します。
“ Workplaceを導入する前は、会社の事業に対する意識が低く、従来のコミュニケーション手段が十分に人々の心に届いていないことが明らかでした。”
2. 発掘品の識別精度の向上
Workplaceは、ビジネスのあらゆる部門が持っている情報を活用することを可能にしています。「発掘チームは、発掘品の素晴らしい画像をWorkplaceに投稿しています」とWoodhouse氏は話します。
数週間前、バース寺院の発掘調査で青銅製の物体が発見されましたが、現場の誰もがその物体が何であるかを特定できませんでした。そこでチームメンバーが携帯電話で写真を撮って、Workplaceの全社グループ「Workplace発掘品」にアップロードしました。
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グループを活用した情報共有
21分後には、40マイル離れた別の部署の専門家がコメントし、その物体が非常に珍しいローマ時代の封印入れであることを正確に特定しました。Workplaceがなければ、このような識別に数日、または数週間かかり、発掘チームへの大事なフィードバックに遅れがでたことでしょう。
3. 人と人をつなぎ、貴重な文脈を提供
Wessex Archaeologyの専門家チームは、ストーンヘンジ、シェフィールド城、バース寺院など、歴史的に重要なプロジェクトに日常的に関わっています。このようなプロジェクトでは、同社の複数の部門が異なる時期、異なる段階で関与することが多くあります。Workplaceは、会社が関わっているプロジェクトに関する貴重な文脈や情報を提供する、新しい種類の透明性をもたらしました。
例えば、発掘チームの新しい発見に関する投稿がニュースフィードにポップアップ表示され、それを見たアーカイブチームは、その発掘品がいずれ自分たちのもとにやってくることがわかります。Woodhouse氏は「Workplaceの特徴は、視覚的に魅力的であることで、メールなどの従来のコミュニケーションとは一線を画しています」と語ります。
“Workplaceの特徴は、視覚的に魅力的であることで、メールなどの従来のコミュニケーションとは一線を画しています。”
Workplaceによって、フィールドチームとその素晴らしい発掘品が、他の部署とより密接につながることができるようになりました。Woodhouse氏は次のように説明します。「一部の従業員はWorkplaceを非常に好意的に受け止め、頻繁に利用しています。そして興味深いことに、Workplaceの利用に前向きでなく社内のつながりを強化するメリットを理解していない同僚がいることに不満を感じています。国の反対側にいる同僚が何をしているのか、本当に知りたいと思っている人はたくさんいるのです」
“一部の従業員はWorkplaceを非常に好意的に受け止め、頻繁に利用しています。”
さらに、Workplaceチャットを使えば、どのオフィスにいる同僚とも簡単にリアルタイムでつながり、より迅速に情報にアクセスすることができます。Woodhouse氏をはじめとする経営幹部は、Workplaceチャットを使って各チームと連絡を取り合い、ミーティングを必要としない承認や問合せを管理しています。
4. 新しいアイデアの提案とイノベーションの促進
Workplaceは、イノベーションを促進し、社内全体から寄せられたアイデアを開花させることを可能にしました。最近、英国のスウィンドン近郊で行われた発掘プロジェクトで、現場技術者が蛍光X線技術の活用についてWorkplaceでアイデアを共有しました。
そのアイデアは、携帯型の蛍光X線分析装置を使って住居の居住層の化学成分を分析し、従来の発掘調査では得られなかった住居の潜在的な用途に関する情報を明らかにしようというものでした。
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社内で新しいアイデアを発掘する
Wessex ArchaeologyのCEOであるChris Brayne氏は、学術論文へのリンクを提供するとともに、X線技術の研究経歴を持つ別のスタッフの協力を得て議論に参加し、このアイデアについて意見を述べることができました。
そして、この技術に詳しい社内の部署を特定し、今後のプロジェクトにこの技術を採用するための担当部署を決め、この技術の潜在的な可能性をより広く認識させることができたのです。
“Workplaceがビジネスの断片的な部分をつないでくれたので、会社全体が一つにまとまり始めています。”
このオープンな意見交換が、ビジネスに良い影響を与えています。Woodhouse氏は「組織内の特定の部署の存在と価値が、他の部署の同僚たちに知られるようになります。このことは、企業文化の面でも非常に重要なことです。Workplaceがビジネスの断片的な部分をつないでくれたので、会社全体が一つにまとまり始めています」と話します。
5. 部門横断的な協力体制の強化
チーム間で自由に情報が行き交うようになったため、人々はより良い成果を目指して協力し合うようになりました。スコットランド支社は最近、平行溝から構成される新石器時代の大規模遺跡クルススを対象とした初のフィールドワークを開始しました。第1週目の終わりに、あるチームメンバーが、関連する遺跡から発見された石材の写真をWorkplaceに投稿しました。
Woodhouse氏は、何年も前に博士論文で同じような物体を研究したことがあったので、その専門知識を提供することができました。自分の論文の1ページを撮影し、それを投稿で共有し、さらに有益な提案を行ったことで、プロジェクトの進捗に貢献しました。
「使用痕分析や残留分析など、素材を調査したうえで、次にやるべきことをいくつか提案しました。現在は会社で考古学的な役割を担っていない私が、考古学的な部分で貢献できたのです。重要なことは、ビジネスに貢献する知識やインサイトを共有するということです」
Workplaceは、Wessex Archaeologyの専門家同士のコミュニティをより密接に結びつけ、考古学関連事業のベストプラクティスとイノベーションの水準を高めているのです。
Wessex ArchaeologyとWorkplaceは次にどのような成果を目指すのでしょうか?Woodhouse氏によれば、ライブ動画の利用を増やし、現場で作業を行うフィールドチームの安全性を高めるためのセーフティチェックを試してみることを検討中だということです。