働き方の未来を設計する - パート2: オープンバイデフォルト

Workplaceでは、働き方の未来はテクノロジーだけでなく人によって定義されると考えています。そのため、人々、特に若い世代のニーズと期待をあらゆる企業活動の中心に位置づけています。

ビジネスコミュニケーション | 所要時間: 10分

そうした期待に応えるために、未来のあらゆる職場の成功に向けて中心的な役割を果たすと考えられる原則が6つあります。これはテクノロジーやプラットフォームへの短期的な投資に関することではありません。当社の製品哲学の指針となる行動原理であり、また、急速に変わりゆく世界が突きつける課題に対応するために、スピードとレジリエンスを養おうとするすべてのビジネスが取り入れるべきものです。

オープンバイデフォルト

オープンバイデフォルト

導き出された最初の原則は、「オープンバイデフォルト(Open by Default)」です。

若い世代は、それ以前の世代が想像していた以上に、自分の生活や自分自身をシェアする世界で育ってきました。この世代は、瞬時にアクセスできることを権利と考えています。これは、メディアやゲームなどへのアクセスだけでなく、情報へのアクセスや個人間のアクセスをも意味します。

オープンバイデフォルトであることにより、組織の縦割り構造や垣根が打ち破られ、必要な情報へのアクセスが迅速化されるだけでなく、会社のミッションや同僚とのつながりがより身近なものになります。

オープン=良いこと

オープン=良いこと

Facebookでは、これを強く確信しています。なぜなら、オープンにしたことの成果を、身をもって実感したからです。2010年当時、Facebookは他の会社と同じように、メール、IRC、配信リストを利用して仕事を行っていました。

“ ほぼ一夜にして、Facebookはメールスレッドという閉じられた文化から、透明性のある根本的にオープンな文化へと移行しました ”

他の会社と同じように、Facebookでもこれが効果的だと考えていました。何も問題がないように見えたので、修正を加えようとする人もいませんでした。そんな中、本当に重要なことが起こりました。2011年、1人の先進的なエンジニアが、社内の人間しかアクセスできないFacebookグループを作るという素晴らしいアイデアを思いついたのです。

この画期的なアイデアがすべてを変えました。

ほぼ一夜にして、Facebookはメールスレッドと1対1の会話という閉じられた文化から、透明性のある根本的にオープンな文化へと移行したのです。

クローズ=悪いこと

クローズ=悪いこと

それまでメールのメモを通じてチームに情報を伝えていたシニアマネージャとの違いを考えてみましょう。そのメモに対して「全員に返信」機能を使って返信する愚かな人など、誰もいません。そんなことをすれば、キャリアを失いかねません。なぜなら、そのメールに込められたメッセージは、「返信不要」だからです。アイデアや意見の共有は求められていないのです。

同じメモがFacebookにグループに投稿されるようになり、今ではWorkplaceに投稿されています。投稿の下には、「コメントを入力」という小さなボックスがあります。もっと簡単な「いいね!」ボタンもあります。これは私たちが知る中で、最もシンプルで万国共通の交流手段です。このボタンにより、声を届け、アイデアをシェアし、意見を述べるよう、最初から促されているのです。この点について、以下に2つ例を挙げます。

1: 会話を改善した非営利団体

Save the Childrenでは、25,000人の職員が世界中で活動しています。そのため、つながりが常に課題となっていました。メールを中心とした既存のツールを使っていたこともあり、全員を会話に参加させることはほぼ不可能でした。

一例を挙げましょう。あるコミュニケーションマネージャは、週に丸1日を費やして、500人からなる配信リスト用のメールを作成していました。Workplaceがリリースされると、彼はメールの代わりに、グローバルWorkplaceグループへの投稿を利用するようになりました。すると、興味深い変化が起こりました。1週間もしないうちに、Workplaceグループのメンバーは当初の配信リストの2倍になったのです。

このとき彼は、自分がそれまでの5年間、知識とインサイトの伝わる範囲を500人に限定していたことに気づきました。「リストに載る」方法を知らなかった職員にとっては、会話に参加する方法がなかったのです。しかし、Workplaceを利用することで、閉じられたコミュニケーションがオープンになったのです。

Save the Childrenの人道的コミュニケーションマネージャ、Kyle Degraw氏は次のように述べています。

“ Workplaceのようなプラットフォームを利用することで、可能な限り最も効率的な方法で世界各地の同僚とつながれるようになりました。その結果、メールを確認する時間が減り、子供たちを救うために使える時間が増えました。 ”

2: 脱メールに成功した電気通信会社

世界有数の電気通信会社のTelenorは、メールが生み出し得る障壁を解消する効果がいかに大きいかを実感しました。例を見てみましょう。あるデータサイエンティストが社内のWorkplaceグループを利用してリサーチをシェアしました。数時間以内に、シニアリーダーがその最新情報を目にし、コミュニケーションチームがこれに反応しました。すると翌日にTelenorのリサーチが、ノルウェーの大手新聞社兼ウェブサイト運営会社のトップ記事として紹介されました。

メールという従来型のツールを利用していたら、このような迅速な成果は生まれなかったでしょう。Telenorのカルチャー・チェンジマネジメント担当上級副社長のAnne Flagstad氏は、次のように述べています。

“ これまでは、重要な情報が受信トレイに埋もれていました。しかしWorkplaceグループで情報をシェアすることで、チームがより協力的になり、グループ全体でじっくりと問題解決に取り組めるようになりました。 ”

Facebookを利用してFacebookを構築する

Facebookを利用してFacebookを構築する

Facebookは、Facebookを利用して会社の構築を始めました。その結果、会社が動くスピードが驚くほど変わり、よりスマートで迅速な意思決定ができるようになりました。チームのコラボレーションも簡単になり、上層部は透明性の高いコミュニケーションを取れるようになりました。会社の規模が1,000人から10,000人に、そしてまもなく40,000人の社員を抱えるまでに成長しても、オープンバイデフォルトな社風によって、弊社よりもはるかに小規模な企業と同等の決断と行動の速さを維持できました。

こうしたスピードは、Workplaceの基本要素の一つです。オープンな社風のおかげで、弊社はコンシューマーテクノロジー部門のイノベーションのペースを他の部門に持ち込むことができました。また、世界中の人に共同作業の場を提供するというミッションも引き続き遂行できています。

モバイルファーストについてご紹介する「働き方の未来を設計する」シリーズのパート3は、こちらでご覧ください。また、シリーズのパート1は、こちらでご覧ください。

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