社員の生産性を高める方法
より多くのことを成し遂げられる職場環境を構築するにはどうすればよいのでしょうか?職場における心理の解明や新しいツール・技術の活用により、社員の生産性はますます注目されています。リモートワークとオフィス勤務を組み合わせた働き方が当たり前になっている今、生産性をどのように定義し、測定し、改善できるかを考えます。


社員の生産性とは?
人の生産性とは、一定時間内にこなせる仕事量のことです。単純な指標ではありますが、その要因は多岐にわたり、複雑です。使うツールから、組織が成功するための環境をどのように構築しているかに至るまで、あらゆる要素が影響します。
個人の生産性には自ずとばらつきがあるものです。それは必ずしも悪いことではありません。1つの優れた作品に長い時間をかける社員も、短時間で大量の作品を作ることができる社員も、同じように価値があるのです。倉庫で問題を解決する人は、オフィスで働く人とは異なるペースを設定し、異なる目標を持つことになります。
企業では、会社やチーム単位で全体の生産性を測定することもあれば、社員一人ひとりの生産性を見ることもあります。より大きなスケールで作業することで、ビジネスリーダーはチームの人選が適切かどうかを確認することができます。
社員の生産性はどのように測ればよいか?
ある研究によると、一般的な労働者は8時間のうち3時間しか生産性を発揮しないそうです。しかし、生産性をどのように定義するかは、使用する指標や手法によって異なります。
以前、生産性管理の話をしたときにも触れましたが、古典的な定義としては次の単純な方程式が挙げられます。
- 生産性=アウトプット(生み出した量)÷インプット(労働時間や資源)
これが基本です。しかし、時が経つにつれ、生産性の測定、特に個人の、あるいは個人的な生産性の測定はより高度になってきています。生産性指標の中には、インプットとアウトプットにとどまらず、商品の品質やそれに伴う財務的コストを評価するものもあります。
効率・効果の測定
生産性は、いかに早く仕事を終わらせるかという効率性の観点から測ることもできます。
しかし、生産効率が良くても品質が低ければ意味がありません。生産性の効果測定は、品質基準を組み込むことで、この問題への対応を図っています。
例えば、コンタクトセンターでは、お客様がサービスレベルを7/10以上と評価した通話の数で社員の生産性を測定します。このような測定は、効率測定だけよりも多くの情報を提供してくれますが、質を定量化することが前提となりますし、それは常に可能とは限りません。
生産性を測る指標の中には、社員の作業時間だけでなく、その結果に費やした金銭的な投資を見るものもあります。たとえば社員Aは、雇用主からの集中的なトレーニングにより、効果や効率を大幅に高めることができたのかもしれません。これに対し、社員Bは、雇用主が採用した時点で同じスキルを持っていたのかもしれません。もし、金銭的なコストを含めると、組織は社員Bの生産性をより高く評価するかもしれません。
新しい働き方の中で採用や教育を考えるとき、このような測定ができることは、より重要な意味を持つでしょう。人材育成と適切なスキルの採用のどちらの方がよりコストがかかるのでしょうか?生産性を「買う」のと「社内で作る」のとでは、どちらが費用対効果が高いのでしょうか?
主観的な測定と客観的な測定
アウトプットが電話の発信数や接客数など目に見えるものであれば、その結果をカウントすることで生産性を測定できます。それが客観的な生産性の測定です。
しかし、ナレッジワーカーやクリエイターの生産性を測定する場合、アウトプットを定量的に定義することはより複雑です。このような場合、チームは主観的または自己申告型の測定方法を用いることができ、通常これは社員アンケートを通じて測定します。客観的な測定に比べると正確性に欠けますが、自己申告による生産性は客観的な測定値と相関があるという研究結果が出ています。
社員の生産性のベンチマーク
生産性測定は、何を求めているのかが分かってこそ意味があります。生産性のベンチマークは、成功とはどのようなものなのか、またどのような場合に優れているのか、劣っているのかを認識できていることの証です。生産性のベンチマークは、業種や社員がどのような業務を行っているかによって異なります。生産性のベンチマークは、自分のビジネスのパフォーマンスについて今後理解を深めていく中で、設定し直していくことになるでしょう。
社員の生産性レポート
生産性レポートとは、個人やチームの1日、1週間、あるいは1時間ごとの生産量を示す文書やダッシュボードのことです。チャートまたはスプレッドシートシステムを使用して手動で行うことも、作業の一部を自動化するソフトウェアツールを使用することも可能です。
社員の生産性レポートは、全体像を把握するのに役立ちます。例えば、月曜日の朝よりも週の半ばの方が仕事がはかどるなど、時間の経過とともに、チームの生産性のパターンと傾向を把握できます。また、チームメンバーによって生産性に波があり、アウトプットがどのように異なるかも確認できます。
生産性レポートは、社員がタイムシートに時間やタスクを記入するという主観的なデータに基づくことも、売上や数量などの客観的な業務データに基づくことも可能です。
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社員の生産性に影響する要因
同じ社員は2人といません。生産性の高い人もいれば、タスクを完了するのに時間がかかる人もいます。チーム内で生産性のレベルが異なる理由の1つは、性格や仕事のスタイル、能力など、必ずしも自分ではコントロールできない要素にある可能性があります。しかし、社員が潜在的な生産性を発揮できるよう調整できる部分もあります。
これには次のようなものがあります。
社員の心身の健康
チームメンバーは健康で元気ですか?ワークライフバランスは適切ですか?職場では居心地の良さや自信を感じられていますか?病気や障害、育児休暇などのために必要なサポートや調整を受けることができていますか?
コミュニケーションツール
社員同士のコミュニケーションは活発ですか?チームメンバーをつなぐビジネスコミュニケーションツールやチャネルは、使いやすく、信頼性が高く、高品質なものでしょうか?McKinseyの調査によると、ソーシャルテクノロジーはナレッジワーカーの生産性を20-25%向上させることが分かっています。
日常のチーム運営
チームリーダーはどの程度社員との関係構築に取り組んでいますか?それは社員のエンゲージメントにどのような影響を与えるのでしょうか?リーダーへの相談はしやすいですか?また、社員一人一人の強みを活かして、パフォーマンスや成長をサポートしてくれていますか?チームやマネージャーを成功に導こうとする組織は、人々が感情的に自分のしていることに投資し、才能をフルに発揮できるよう支援しようとします。
配備されている機器
従業員は仕事に適したツールを与えられていますか?それらのツールの使い方について、適切なトレーニングを受けていますか?業務で使用している機器は直感的で高品質ですか?それともかえって社員に余分な時間と労力を使わせていますか?
トレーニング
社員は、立ち止まって助けを求めることなく、日々の仕事をこなし、日常的な課題に取り組めていますか?入社時に適切なレベルのオンボーディングを受け、スキルを最新の状態に保つための継続的なトレーニングを受けていますか?
社員の生産性を高めるには?
繰り返しになりますが、マネージメントのスタイル、トレーニング、会社のツールへの投資、職場環境などはすべて、社員の生産性を維持するために重要な役割を果たします。
しかし、基本的なことはすべてできているにもかかわらず、メンバーの生産性が思ったように上がらないとしたら、どうしたらいいでしょうか?ここでは、アプローチを考えるためのいくつかのアイデアを紹介します。
- 励まし、ほめる
ムチではなくアメを使いましょう。生産性の高い仕事をした社員を褒めることで、社員は気分が良くなり、チーム全体にも「努力と成果は認められる」というメッセージが伝わります。
誰かが困難な課題に取り組んでいるときに、支援したり励ましたりする方法を探してみてください。マネージメントからの信頼を得ていることを再認識させることができます。
ハーバードビジネススクールの調査によると、褒めることで「最高の自分」を振り返り、自分の仕事の価値や重要性を認識することができ、社員のモチベーションを高めることができるそうです。
- 休養の時間を与える
生産性を高めるために休暇を与えることは直感的に理解できないかもしれませんが、社員の充電と再活性化の機会を与えることは重要なことです。確かに、燃え尽きている状態では、ベストを尽くすことはできません。Glassdoorの調査によると、アメリカの労働者の66%が、もっと睡眠時間を確保できればパフォーマンスが向上するだろうと答えています。
- 社員に求められるものを明確にする
大きな仕事を細分化すると楽になるという表現がありますが、ここに当てはまります。自分にとっては当たり前のことでも、チームメンバーが自分の役割に対する期待を十分に理解していない場合もあり、基本的なことを具体的に説明する必要がある場合もあります。
いつ、何を、どのようにする必要があるのか、社員が理解しているかどうか確認します。わからないことがあれば質問して、親切に答えてもらえることを明確にしましょう。社員と一緒に、達成してほしい長期・短期の目標を設定し、その達成に向けたステップを理解してもらいましょう。
- (ある程度の)競争環境を作る
人類は集団の一員でありたいと思うものです。また、その中で競争し、一番を目指したいとも思っています。仕事から遠ざかっている生産性の低い社員に、適切な報酬を与えるとともに切磋琢磨させることで、やる気を起こさせることができるかもしれません。
ただし、ここは慎重に判断したいところです。研究者のPo Bronson氏とAshley Merryman氏によると、職場での競争によって成長する社員は50%、競争によって萎縮する社員は25%、そして25%は中立的です。
- インセンティブを与える
報酬や福利厚生をアウトプットに結びつけることは、多くの企業で信頼して利用されている戦略です。しかし、よくよく検証すると、インセンティブプログラムの実施方法が、その効果を左右することもあるようです。
早くも1990年代から、Alfie Kohn氏は、インセンティブは短期的な行動には影響を与えるが、長期的には真のモチベーションを与えることはできないと説明しています。25年以上経った今でも、彼はその分析を続けています。インセンティブが効果的であるためには、社員が報酬を得るだけでなく、エンゲージメントを受けて、評価され、耳を傾けられるようにするための、より広範な社員エンゲージメントプログラムと連携する必要があるのです。
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