職場の世代間ギャップ
年齢が違えば、日常のさまざまな場面で物の見方も異なってくることがあります。それは仕事にも当てはまります。満足度も生産性も高い職場文化を作るには、職場の世代間ギャップを埋めることが大切です。
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職場の世代間ギャップとは
現代の職場では複数の世代が共存していることが多く、現在の労働年齢には以下の4つの世代がいます。
上の世代の退職が進むなかで、2025年までにはミレニアル世代が世界の労働人口の39%を占め、Z世代の割合は23%になる見込みです。
職場での摩擦は主にミレニアル世代とベビーブーム世代間で散見されますが、その世代の間にはX世代がいて、比較的最近になってZ世代も職場に入ってきました。
職場についての考え方や職場に求めるものは世代によって異なり、コミュニケーションの取り方も、会社への忠誠の度合いも、成功の捉え方も異なります。こうした違いによって軋轢が生じることもありますが、刺激を受けたり、創造性を触発されることもあります。
職場の世代間に分断はあるのか
個人差はありますが、仕事に対する姿勢は世代ごとに異なることが研究で明らかになっています。例えば、ベビーブーム世代は職の安定と雇用主への忠誠を重んじる一方で、X世代はワークライフバランスや職場における多様性を切り拓いてきた独立的な働き手です。
仕事のそうした側面を重視する姿勢はミレニアル世代とZ世代にも受け継がれており、これらの世代はワークライフバランスのほか、新しいスキルを学ぶことを特に重視します。Z世代にとっては、会社の価値観と自分の価値観が一致していることが重要です。また、ハイブリッドワークも強く支持します。
こうした違いはありますが、労働世代の間には共通点も多く存在します。1つには、どの世代も成功を求めている点です。ただし、成功に向けて取り組む姿勢や何を成功とするかについては、世代間に差があります。
ベビーブーム世代がハードワークなくして成功なしと固く信じているのに対し、Z世代とミレニアル世代は人間関係と社会的なつながりこそ成功の最も重要な要素と考えています。
職場の世代間ギャップに対応する
多くのものを提供できるのはどの世代も同じです。人をまとめ、職場での世代間の違いを最大限に生かすことができれば、成果がリターンとなって返ってきます。試す価値のある戦術をいくつか紹介します。
共同メンタリングの導入
異なる世代間の共同メンタリングを職場に導入すれば、人間関係に非常に大きなメリットがある可能性があります。勤続年数にかかわらず誰もが互いに学べるように、双方向のメンタリングにしましょう。
こうすることで社内で親密な関係性が育まれ、コミュニケーションやコラボレーションが改善されて、企業文化が強固になります。
さまざまなプラットフォームでコミュニケーションを育む
本音で気軽に話せるコミュニケーションチャネルを維持することが、ポジティブな職場環境を作る鍵です。ただし、コミュニケーションのスタイルは世代によって異なります。ベビーブーム世代が好むのは対面でのコミュニケーションかもしれませんが、ミレニアル世代とZ世代は私生活と同レベルのデジタルな関わり方を職場にも期待しています。
コミュニケーションについては、社員に複数の選択肢を与えるようにしましょう。オンラインのコラボレーションツール、ビデオ会議、対面でのミーティングを利用できれば、世代間ギャップの解消に役立つでしょう。
共有できるインセンティブの提供
ベビーブーム世代も、X世代も、ミレニアル世代も、Z世代も、すべての世代が、懸命に働くためのモチベーションや報酬を求めています。社員が共有できるインセンティブを提供すれば、結束も強くなります。
例えば、プロジェクトを完了させようとオフィスで一心に取り組んでいるチームに昼食をごちそうすれば、フォーマルでプロフェッショナルな仕事上の関係から、インフォーマルで結束力のあるチームという関係に切り替えさせることができるでしょう。世代の差を超え、職場の関係性を自然な方法で改善できます。
社員のメンタルヘルスをケアする
Gallupによれば、若い労働者は上の世代よりもストレスや燃え尽きを経験しやすい傾向にあり、調査では、Z世代とミレニアル世代後期の68%がストレスを、34%が燃え尽きを感じているという結果が出ています。ただ、ベビーブーム世代にもストレスを感じている人は40%います。したがって、効果的なメンタルヘルス対策を敷くことはすべての世代にメリットがあります。
年齢で決めつけない
職場の各世代について一般化することもできなくはないですが、それに基づいてステレオタイプ化するのは有益ではありません。例えば、「上の世代は新しいテクノロジーに対処できないだろう」「若い人は上の世代よりも労働倫理が低い」などと決めつけないようにしましょう。
社員一人ひとりと向き合い、各人の強みや仕事に求めているものを把握するようにしましょう。
職場に多様な世代がいることのメリット
職場のDEIについて考えるとき、年齢は除外されがちです。AARPによれば、社員に複数の世代がいることが成功の鍵であると認識しているグローバルな経営幹部は83%いますが、DEIポリシーに年齢を含めている人は53%にとどまり、採用プロセスで年齢で差別しない人に至ってはわずか6%しかいません。
職場における世代の多様性が有益である大きな理由の1つは、知識を共有できることにあります。職場にいるミレニアル世代とZ世代が新しい知識や考え方をもたらし、ベビーブーム世代とX世代が長年の実務経験を共有するというように、世代間で非常に大きな学びを得ることができます。
ポジティブな職場文化を育み、組織を成功に導くには、世代間のこうした前向きなやり取りを可能にすることが欠かせません。