企業での自動化の対象が細かい業務なのはなぜか
ボットは作業に費やす時間を短縮し、作業を楽にしてくれるものです。ボットを使って小さな問題を解決することで、大きなメリットがもたらされます。そのため、企業内の自動化であれば、必要なのはほんの一押しだけです。
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The Bot Platformの共同創設者兼CEOのSyd Lawrence氏が自身のテーマについて熱心に語っています。「物事を成し遂げるためにほんの一押しが必要なことは誰にでもあります。特にやりたくないことの場合は。それは私生活にも当てはまるし、仕事の場合はなおさらです」
ボットは人に必要な一押しをしてくれる強力なツール
彼が特に関心を持っているのは、ボットでどれほどうまく人を促せるかということです。
「ボットがその超強力な手段だということがわかりました。まず、人は誰かに行動を促されることを好みません。指示されるのが好きではないのです。ただし、それが機械、つまり自動化されたシステムであれば、人が反応する可能性ははるかに高くなります」
それは経験から得た見解です。Syd氏は、最先端のテクノロジーを扱う仕事に14年以上にわたって取り組み、5年前に共同創設者とともにThe Bot Platformを創設しました。
それ以来、自動ツールを使って問題解決を支援することをミッションとしており、現在は、BBC、Water Aid、Samsungなどの企業と協業しています。
ボットが小さな問題を解決
ボットに対する誤解が続いているとSyd氏は言います。ボットとは何か、何ができて何ができないのかということが理解されていないのです。問題の1つは、誤ったレッテルがいつまでも貼られていることです。
「人々はこれをずっと『AIチャットボット』と呼んでいます。ですが、これにはおかしな点が2つあります。まず、ボットは人工知能ではないこと。私たちは、これを『 Optimised Human Assisted Intelligence (最適化された人間支援知能)、OHAI』と呼んでいます。そして、誰も機械とチャットしたいと思わないということ。機械は、何かをするために情報にアクセスしたり、作業をしたりするのに使いたいですよね」
単純なプロセスの修正がボットの秘められた力
この誤ったレッテルによって、ボットの可能性と、特に職場でどのように役立つかが誇張されています。
ボットはプロセスを簡素化するものです。小さな問題を解決することがボットの秘められた力なのです。ボットは、労働者の足かせとなり手間がかかる、面倒で繰り返しの多い作業の自動化に役立ちます。
そのため、何のためにボットを利用するかを考える際、企業は時間をかけてこうした小さな作業を特定する必要があります。「皆が毎日5~15分かけて行っていることは何ですか?ボットでその時間の3分の1を短縮できたら、かなりの手間を削減できます」
自動化、LIBBY、Workplace統合
このような時間の節約と生産性の向上が、Bot Platformの最新製品の1つの推進力となっています。Libbyは、Workplaceチャットを使って企業のナレッジベースとそこにアクセスしたい人をつなぐオンデマンドの情報アシスタントです。
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「Libbyは、組織の情報にかつてないほどアクセスしやすくするためのボットです。多くのナレッジリポジトリには、内容が古い、更新されていない、正しい答えを見つけるのが非常に難しいといった問題があります。Workplaceチャットを通じてLibbyに質問すると、それだけですぐに回答が返ってきます」
Libbyで質問の答えがわからない場合は、組織内の関係者に回答を更新するようメッセージが送信されます (その後、その回答をナレッジベースに書き込みます)。またLibbyは、提供するすべての回答について簡単なフィードバックを求めます。
迅速な回答と面倒なプロセスの自動化というボットの2つのメリット
すでにLibbyを使っている組織にとってこれは二重のメリットです。すばやく答えを見つけることができるため仕事がはかどります。有用なナレッジリポジトリのキュレーションと構築という手間のかかるプロセスを自動化できます。
Libbyは、現在、ベータ版を利用できます。また、間もなくWorkplace統合ディレクトリでも利用できるようになります。
「何のために」から始めるボットの正しい開発方法
では、企業はどのようにボットを開発すればよいのでしょうか。
「アプリの人気が高まると、どの企業も急に使いたがるようになります」とSyd氏は言います。「でも、それで何をしたいかがわかっていません。利用者にとってどのようなメリットがあるかがわかっていません。『何のために』がわからないのです」
ボットを作りたい?では何をさせるのですか?
ボットでもそれは同様です。「2年前、FacebookがMessengerでボットを使えるAPIをリリースしました。皆が使いたがりましたが、それで何がしたいかがわかるまでには時間がかかりました」
Workplaceでボットを開発できるようになったため、企業は仕事に活用する方法を見つけだそうとして再び熱気が高まっています。しかし、企業がSyd氏のチームにボットについて相談すると、いつも同じ答えが返ってきます。「いいですね。で、何をさせるのですか」
ボット開発の各段階
Workplace用に開発するボットとMessengerのボットには違いがあります。Workplaceはビジネス向けのコラボレーションプラットフォームなので、ボット開発でプロセスの自動化と社員エンゲージメントに重点を置くのは理にかなっています。「何のために」に集中することができます。
計画段階では、4つの重要な質問の答えを考えましょう。
- なぜボットを開発するのか
- 目的は何か
- どのような問題を解決したいのか
- プロジェクトの成功をどのように定義するつもりか
まずはチャレンジ
当初、ボット開発者がよく話題にしたのは、ほんの数種類のボットでした。例えば、ムードボットや用語解説ボットなどです。会社が解決すべき課題を本当には解決しなかったとしても、こぞってそれらのボットを購入しました。
メニューになくても「何のために」を重視する
「お客様には、問題の特定に重点的に取り組むようお願いしています。メニューにあるものだけでなく、『何のために』を重視するのです。それは、ボットの可能性への理解が深まるにつれて、変わっていくものかもしれません」
略語の意味を見つけられずに1日に1時間を無駄にしているなら、専門用語解説ボットを開発します。そうではなく、ミーティングの効率が上がらずに時間を浪費しているとしたら?その場合は、別のソリューションが必要になるでしょう。
時間節約ツール
Syd氏は、別の顧客の例を挙げてこの点を説明します。彼のチームは、Keithというボットを開発し、顧客の社員1人当たりで毎日12分の節約を実現しました。そのボットは、アジャイルプロジェクトチームが理解を共有するためによく行う「スタンドアップミーティング」を自動化します。
時間の節約になるだけでなく、自動プロセスで動作している
Keithは、午前9時にチームの全員にメッセージを送信します。チームメンバーは、そのメッセージで前日にする予定だった仕事を思い出します。Keithは、達成したこと、今日の予定、ワークフローを妨げている可能性のある要因を尋ねます。
ボットは、これをメインのWorkplaceプロジェクトグループにまとめるため、全員が見ることができます。全員が15分間のスタンドアップミーティングに参加するのではなく、Keithを使うことで、返信に約60秒、全員の返信を確認するのに2~3分で済みます。
社員の責任感、望ましい行動、価値観が向上する
時間の節約になるだけでなく、自動プロセスで動作しているため、チームの集中力維持や、過去のデータのトラッキングにもより効果的です。
「ボットを活用することで、社員の責任感が向上します。また、望ましい行動や価値観の主要な推進力にもなり得ます。これはまさにボットの得意分野です。小さな問題を解決するボットが時間の節約、生産性の向上、同僚との対立の防止に役立ちます」
「結局のところ、私たちは皆、そのほんの一押しに期待しているのだと思います」
The Bot Platformの共同創設者でありWorkplaceパートナーでもあるSyd Lawrence氏にお話しいただきました。