ハイブリッド勤務の職場で文化を築くための5つの方法
先進的な組織は、従業員体験への取り組みを強化することでハイブリッド勤務という新たな現実に対応しています。ただし、新たな社員特典を設けたり福利厚生を充実させたりするだけでは十分ではなく、職場文化を大きく変える必要があるのです。


新型コロナウイルス感染症は、ビジネスにおける2つの新たなトレンドを加速させました。1つ目は、ハイブリッド勤務の普及です。つまり、常に現場勤務の人と常にリモート勤務の人のどちらかしかいない固定的な勤務形態から、オフィス勤務、フロントライン勤務、リモート勤務が混在する流動的なモデルへの移行です。
2つ目は、組織は顧客や株主だけでなく社員のための取り組みを強化する必要があるという気づきです。これには信頼の構築や職場文化への注力などが含まれます。どちらの取り組みも、チームが同じ空間で働く時間が減れば、さらに難しくなるものです。
文化の構築は困難ではありますが、必要とされる取り組みです。パンデミックが発生する前、日々の仕事に満足していない社員は58%に達していました。もともと素晴らしいとは言えなかった「日常」にただ後戻りすることを避けるには、どうすればよいのでしょうか?
その答えは、従業員体験(EX)にあります。
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企業文化と従業員体験
Metaが考える従業員体験(EX)とは、社員のニーズに対して体系的に対応することで、仕事に意義を感じられる環境を整えることです。
ここで非常に重要なのは、社員特典や福利厚生、社員エンゲージメント全般といった従来の動機付けを使って行動変容を促すことではない、ということです。そうではなく、文化を変えるという話なのです。これは、信頼、誠実さ、所属意識、目的といった概念をビジネスアジェンダの最上位に位置付けるということです。
2020年は、文化や勤務形態の短期的な改善に力を注ぐことで未曾有の事態に対応しました。2021年は、そうした変更をビジネスの戦略やオペレーションに永続的に組み込むことになります。
変化を求める機運があるのはよい材料です。実際、CEOの75%はEXを支持しています。あまりよくない材料もあり、人事の責任者の84%はEXを優先事項だと回答している一方で、プランを持っているのは9%に留まっています。
今こそ、支持を行動に変えるときです。
従業員体験は企業文化のあらゆる側面に影響する
行動を起こす前に必ず押さえておきたいのが、従業員体験はCEOや人事だけの話ではないということです。EXには、ビジネスの主要なステークホルダー全員が何らかの形で関わってきます。新たな戦略を立てるには、さまざまな部門の責任者がつながって連携を取り、拡張可能なプランを練り、実行する必要があります。実行できた場合のメリットは明白です。
- CEO: 社員と本物のつながりを築き、社員の声を聞いてそれに応える
- 人事の責任者: 優秀な人材の獲得、トレーニング、保持に取り組みながら、しっかりした企業文化を作る
- コミュニケーションの責任者: 情報の流れを改善し、キーメッセージに関する実用的なインサイトを得る
- ITの責任者: スマートな統合と使いやすい機能によってエンタープライズツールをまとめる
では、戦略はどのように立てればよいのでしょうか?

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ハイブリッドチームの従業員体験計画を立てるための5つの方法
EXは、ハイブリッド勤務のチームにとっては特に難しい課題です。メンバーはあちこちに移動し、ばらばらに分散して、連絡を取りにくいからです。ここには、コミュニケーションの質の低下、階級的な偏見(「自分たち」と「あの人たち」という分断)、オフィス内の偏見といったリスクが内在し、これらの解決には別のアプローチが必要となります。
ハイブリッドチームに効果的なEX戦略とは、以下のことを可能にするものです。
- 効率よくコミュニケーションを取る - どこにいる誰に対してもその人に関連のある情報を届け、組織内のあらゆる人の声を拾う
- コミュニティを築く - ダイバーシティとインクルージョンに注力することで所属意識を持ってもらう
- ケアをする - メンタルヘルスを支えるシンプルな手段を見つけ、ナレッジの発見や共有を行いやすくする
戦略を実行するための5つのアドバイスを紹介します。
- つながることの価値を伝える
つながることの価値を伝える
社員の積極性と意欲を高めることには、それだけの価値があることを経営幹部に理解してもらいましょう。実際、本当にメリットがあることを伝えましょう。EXが改善すると、生産性が21%上昇し、離職率が40%低下する可能性があります。
- チームを一つにまとめる
チームを一つにまとめる
EXは主要なすべてのステークホルダーに影響するものなので、CEO 1人に全責任を負わせないでください。上級管理職のさまざまなメンバーを集めましょう。誰もが果たすべき役割を持っています。
- いち早く行動する人を応援する
いち早く行動する人を応援する
経営幹部の中には、他の人よりも行動が早い人がいるはずです。可能性に期待し、すぐに変化を起こしたいと考える人です。そうした人の行動を後押ししてください。戦略の支持者に盛り上げてもらうことで、勢いが付き、プロセスを加速させることができます。
- 専門の領域を割り当てる
専門の領域を割り当てる
上級経営幹部をサポートして、強みを発揮できるように支えましょう。その人にとって重要で、かつ思い入れがある領域で先頭に立つように促してください。例えば、インクルージョン、目的、評価・表彰などの領域です。
- 成功のイメージを示す
成功のイメージを示す
隠し事や嘘のないビジネスコミュニケーションの成功例を社内外で見つけて、行動のヒントを提供しましょう。