協同組合をつなぐために。36,000人以上の社員をWorkplaceでつなぐS Groupの取り組み

S Groupのコミュニケーション開発マネージャであり、Workplace PioneerでもあるFilip Winter氏に、グループ全体での導入を主導する取り組みについて、また、Workplaceが社員の共同作業に変革をもたらしている理由について話を聞きました。

ビジネスコミュニケーション | 所要時間: 10分

S Groupはフィンランド最大の小売業者の一つで、20の独立した地域協同組合、バックオフィス、SOK Corporationで構成されています。S Groupの社員数は36,000名で、ピーク時には季節労働者を多数雇用しています。

Workplaceで業務を簡素化

オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。

Workplaceにたどりつくまで

Workplaceにたどりつくまで

社内コミュニケーションに関する課題は、組織構造に由来します。そしてWinter氏がそのような課題のいくつかを初めて認識したのが、同グループの協同組合で働いていた2017年のことでした。特に、イントラネットを介した情報検索の難しさと、店頭に立つフロントラインワーカーたちの間につながりが存在しないという問題を目の当たりにしました。

同氏は、新しいテクノロジーが、社内イントラネットを刷新すると同時にソーシャルな要素を導入する機会をもたらすのでは考えました。

その後、いくつものプラットフォームをリサーチしては試用するという取り組みを繰り返しましたが、どれもうまく機能しませんでした。やがて、Facebook at Workのパイロット版のことを耳にしたWinter氏は、危ない橋を渡る覚悟でディレクターの支持を取り付け、2017年にWorkplaceのパイロット版の利用を開始しました。同氏の決断がもたらした結果と、将来の展望について見ていきましょう。

社員第一

社員第一

「当社が目指したのは、全員の声を聞くことでした」とWinter氏は語ります。「グループレベルで見た場合、組織内の全員に最高のツールを提供できれば、2つのことを達成できます。よりよい顧客サービスを提供し、高い社員満足度を達成し、スタッフの定着率を向上するという当社の目標を達成できます。ただ、それよりも重要なことは、社員の仕事をもっと簡単に、もっと自然に、もっと楽しいものにすることです。この点が実に重要なのです」

これが、約2年前に同氏がWorkplaceを検討し始めた理由の一つでした。同氏はこう続けます。「社員がすでにプライベートで使っているツールによく似た、なじみのあるツールを社員に使わせるということは、オーナーたちの仕事がやりやすくなるということを意味します。それは社内のプロセス改善につながり、最終的には顧客に利益をもたらすことになります」

Workplace Pioneerとしての役割

Workplace Pioneerとしての役割

SOKグループでのWorkplaceの導入を見届けたWinter氏は、次にすべての協同組合を対象にした展開計画の策定と管理に乗り出しました。

「このプロセス全体を通して私の役割も進化しています。元は社内コミュニケーション開発の全般的な管理を担当していました。しかし、Workplaceがグループレベルで稼働し始めたことで、Workplaceが文化、コミュニケーション、社内プロセスに与える影響の大きさが分かってきました。そのため、現在の私の役割は、全社員を対象とした事実上の社内コミュニケーションツールであるWorkplaceの利用状況を改善することに特化しています」

そして、36,000人にのぼる社員への展開計画は、まさに今も進行中です。しかし、Workplace導入の決定打となった要因は何だったのでしょうか。なぜWorkplaceが選ばれたのでしょうか。

Workplaceとの連携で最新のモバイルイントラネットを構築

Workplaceとの連携で最新のモバイルイントラネットを構築

「当社の以前のイントラネットは連携のとれないものでした。また、ライセンス数は12,000しかなかったため、店舗の社員がログインして情報を確認するには、ライセンスを共有する必要がありました。その意味で、アクセスの利便性にも欠けていました」

Winter氏は、SharepointとOffice 365を連携すれば、Workplaceをドキュメントと情報の一元リポジトリとして利用できることを確認しました。これにより、既存のイントラネットに代わる手段を得られるだけでなく、グループ全体のコミュニケーションを改善できます。

「現在、O365でドキュメントリポジトリを構築しているところです。良い点は、制限と許可の管理にAzure ADを利用できているところです。このおかげでWorkplaceを通じてリンクやプレビューを直接共有できるようになります。そして、バージョン管理を気にせず、リアルタイムでドキュメント上での共同作業が可能になります。すばらしいことです」

“O365でドキュメントリポジトリを構築し、Workplaceを通してリンクやプレビューを直接共有できるようにしています。これにより、バージョン管理を気にせず、リアルタイムでドキュメント上での共同作業が可能になります。”

これは、S Groupに不可欠なアプリケーションであるとWinter氏は確信しています。「このWorkplaceの連携は、最新のモバイルイントラネットの礎となっていくでしょう」と同氏は言います。「ドキュメントのマスターバージョンは 1つのみで、皆がそれを必要な場面で共有できるようにしておきます。この強力なWorkplace連携により、複数のものを同時に処理することが可能になります。作業効率が格段にアップします」

Workplaceでフロントラインワーカーの声を届ける

Workplaceでフロントラインワーカーの声を届ける

2つ目の大きな要因は、フィンランド全土の数千店舗に立つフロントラインワーカーをつなぐ必要性でした。「現在、36,000人の社員が在籍しています」とWinter氏は言います。「さらに、時期によって増減する季節労働者もいて、その数は年末や夏季休暇には最高で15,000人にものぼります」

そこで同社は、Workplaceを使って一人ひとりをつなぐことを目標にしました。

「大変な課題です。でも、Workplaceなら克服できるとわかっていました。これらの社員は、文字通り最前線に立つ人たちです。つまり、顧客のフィードバックを直接受ける人たちであり、新たな機会を最初に特定できる人たちであり、誰よりも先に問題点を見つける人たちです。ですから、雇用してからほんの数週間しか経っていない社員であっても、とにかく全員をプラットフォームに乗せることが非常に重要なのです」

Winter氏は、担当部署を率いて全社展開の最初の段階を完了させようとしているところですが、この時点でWorkplaceがS Groupをどのように支えているのか、また新たな利用者が期待できることは何かを見ていきましょう。

相互サポートモデル

相互サポートモデル

最初の大きなメリットは、Workplaceグループを利用して回答をクラウドソーシングし、問題の解決につなげられることでした。「社内にWorkplace相互サポートというグループを立ち上げました」とWinter氏は説明します。「Workplace関連の質問は、担当のITサポートチームに聞くのではなく、このグループに投稿するよう社員にお願いしています」

多くの人に向けて投稿した質問には、多くの回答が寄せられるものです。立ち上げから間もなくして、このグループは、S Groupの全員に最新情報を与えてくれるリソースとなりました。「社員は類似の質問に対する回答を参照でき、会社はオーガニックで検索可能なFAQセクションを構築することができます。これが、時間の節約と繰り返し作業の削減につながり、負荷の高かった業務が多少なりとも楽になっています。社員からも好評なツールです」

フロントラインワーカーをつなぐ

フロントラインワーカーをつなぐ

効果的なグループを作ることは、ほんの始まりにすぎません。ここから、サポートチケットの発行と解決を行うデフォルトシステムの開発へと進みます。

「フロントラインワーカーが、グループを使って問題や課題を提起していることに気付いたのです。例えば、会計時のクレジットカードの問題やITシステムの不具合、在庫不良などです。問題を即座に報告するためのツールとして使われるので、グループのメンバー数が0人から2500人にまで自然に成長することも多くあります」

この人気には連鎖的な効果があります。報告された問題の量が膨大であるということは、元のサポート構造では対処しきれていないことを意味します。

「そのため、チケット発行システムにグループを連携させることを現在検討中です。Workplaceパートナーとの協力のもと、これを正式なチャネルにしたいと考えています。リアルタイムで問題を記録しチケットを発行できるようになれば、効率がさらに向上するでしょう」

「問題点を顧客から指摘されるケースも多々あります。今回の変更により問題の報告から修正までにかかる時間が短縮されれば、より効果的なカスタマーサービスを実現できます」

基本をおさえて改善を続ける

基本をおさえて改善を続ける

最後のイノベーションは、社員の貴重な時間を奪う負担の大きなプロセスの簡略化を目的としたものです。Winter氏はこのように説明します。「HRではボットを試験的に導入しています。例えば、Workplaceチャットで社員が「産休」という検索用語を入力したとします。するとボットが起動し、手順を追って産休についての関連情報を提示してくれます」

「情報を検索しそれに基づいて行動するという意味で、これは従来の方法を大きく変えるものです。HRに電話したり、フォームに記入してメールで送信したりする必要はありません。チェックボックスを使うだけ。よりスマートなプロセスなのです」

全社展開に向けて

全社展開に向けて

全社展開に向けて最終準備に取り掛かるWinter氏が、本当に大事だと感じていること。それは、人々をつなぎ、その声を届けること、そして、テクノロジーを駆使してプロセスを効率化し、業務をほんの少し楽にし、仕事の意義をほんの少し深めることです。

S Group、コミュニケーション開発マネージャ、 Filip Winter氏に深く感謝します。

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