動画を使って社員エンゲージメントを高める方法

社員エンゲージメントを効果的に促進する動画を作成する秘訣を紹介するとともに、動画エンゲージメントを測定してメッセージが伝わっていることを確認する方法について説明します。

社員エンゲージメント | 所要時間: 8分
employee engagement video - Workplace from Meta

今日のビジネスリーダーが直面している最大の課題の1つは、ハイブリッドワーカーとのコミュニケーションを通じて、社員エンゲージメントと効果的なコラボレーションを実現することです。この問題を真正面から解決するのに役立つのが動画です。それでは、効果的な動画エンゲージメントを達成する秘訣は何でしょうか。また、動画の威力をフルに活用して、人々に影響力を発揮し、サポートで支え、励ますにはどうすればよいのでしょうか。まずは基本的な話から始めましょう。

従業員体験を変革する方法を学ぶ

当社のガイドをダウンロードして、従業員体験を業務正常化の取り組みの最優先事項にしましょう。

動画エンゲージメントとは?

動画エンゲージメントとは?

昨年は、大きなスクリーンを持つ映画館などの施設が立ち入り禁止になる一方、小さなスクリーンを持つデバイスが世界中の労働者の生活で存在感を強固なものにしました。快適な自宅のほうが生産性が高まるというリモートワーカーの割合は75%に達しており、2025年には全労働者の70%が1か月に5日以上リモートワークをすると推測されています。

多くの面で、これを可能にしているのが動画です。動画は、物理的なオフィスに集まることがあったとしても稀にしかない社員のエンゲージメントを高め、支援を提供し、励まして、つながりを築ける力を秘めています。

人間の脳が映像を処理する速度はテキストの場合よりもはるかに速く、一説では6万倍とも言われています。実際、MITの神経科学者らは、わずか13ミリ秒あれば画像を識別できることを発見しました。そのため、動画は(ほぼ)リアルタイムで影響を与えることができるメディアと言えます。

さらに動画は、文字や音声で表現された言葉を超えるものを提供する力を備えています。それは、あらゆる会話で音を出すことなく重要な役割を果たすボディーランゲージです。心理学者のアルバート・メラビアンが行ったラポールに関する有名な調査で、人の話す内容がその人の印象に与える影響が7%に過ぎなかったという事実は、音声のみのやり取りに明らかな限界があることを強く示しています。

動画が特に魅力的な理由は、表情、手の動き、視線、姿勢など、言葉に重要な意味や意図を与える情報や、行間を埋める情報を提供してくれるからです。

ビジネス心理学のコンサルティング会社Pearn KandolaがCisco Systemsの委託を受けて行った調査は、こうした非言語的手がかりの重要性を裏付けるものでした。同社は調査レポートで、行動とボディーランゲージが「チームメンバー間の信頼を大きく高め」、「より短期間での信頼構築を可能にする」と指摘しています。また、対面でのコミュニケーションが社員同士の絆を深め、「共通のアイデンティティという感覚」を生み出すのに役立っている可能性を示唆しました1

動画エンゲージメントによって、仕事での人間関係を強化し、社員が従来と同様またはもっと効果的に仕事をこなすために必要な土台を構築できるのです。

動画が社員エンゲージメントに果たす実用的な役割

動画が社員エンゲージメントに果たす実用的な役割

1対1での打ち合わせでも世界規模のイベントでも、動画を使えば人を集めることができます。動画のおかげで、誰もが自宅やメインの職場から離れることなく、イノベーションを起こしたり、アイデアを共有したり、戦略を立案したり、戦略を実行に移すための計画を策定したりできるようになりました。

店舗や出先や工場で組織を代表して働く社員は、組織から取り残されていると感じてしまいがちです。しかし、こうしたフロントラインワーカーやデスクを持たない社員でも、スマートフォンやノートパソコンからビデオ通話に参加するだけで、組織の一員だと実感できるようになります。

会社の情報、ニュース、アイデア、意見を絶えずやり取りすることで、あらゆる組織の成功を支えるビジネスコミュニケーションは、よりインクルーシブで民主的なものとなっています。CEOの基調講演であれ、チームメンバーの誕生祝いであれ、動画というものは、社員がどこで働いていようとも、組織内のつながりを強くする役割を果たしているのです。

また、タイムゾーンのみを考慮すれば済むため、コミュニケーションツールやオンラインツールの一貫性が高まります。少人数のグループ、グループチャット、画面共有ツールを使うことで、個人的なつながりの構築やチームでの共同作業がすばやく簡単に行えるようになりました。

動画は社員エンゲージメントで実用的な役割を果たす

実際、動画が魅力的なのは、私たちの負担を大きく減らしてくれるからです。ビデオ会議ソフトウェアを利用することで、企業の出張費は最大30%減少し2、出張の必要性も47%少なくなりました3

また、リモートワーカーも恩恵を受けています。オフィスへの出勤がなくなったことで、何百ドルもの通勤費を節約できるようになったのです。さらに、労働時間ではなく仕事の成果が重視されるようになり、柔軟な働き方が可能になったのも歓迎すべきことです。

これは、金銭の節約だけが重要なのではないことを示しています。動画のおかげで、人々が持てる最も貴重な財産の1つである時間を確保できるようにもなったのです。

Global Workplace Analystsの推計によれば、移動時間や通勤時間を考慮すると、フルタイムのリモートワーカーは1年で2~3週間に相当する時間を節約できるということです4。また、ビデオ会議のリンク先さえあれば、ミーティングの準備や参加に時間を費やす必要がなくなります。

最新情報を入手する

仕事の最前線に関する最新のニュースとインサイトを入手しましょう。

このフォームを送信すると、ニュース、イベント、アップデート、プロモーションなど、マーケティング関連のメールをFacebookから受け取ることに同意したものとみなされます。ただし、いつでも同意を取り下げてそのようなメールの購読を停止できます。また、Workplaceのプライバシー規約を読み、これに同意したことになります。

動画を使って社員エンゲージメントを高める方法

動画を使って社員エンゲージメントを高める方法

では、動画をもっと活用するにはどうすればよいのでしょうか。動画を使って組織で社員エンゲージメントを高められる6つの方法をご紹介しましょう。

1.ビデオ会議

動画エンゲージメントで中心的な役割を果たしているのはビデオ会議です。これによって、複数の部門や部署にまたがる会議やグローバルでの話し合いが、簡単かつ効果的に行えるようになりました。Ciscoの調査によれば、動画によるコミュニケーションは、グループディスカッションへの参加を促進しており、人びとが自分の意見をより率直に述べたり、意見の相違を解決するのが早くなったりする効果をもたらしています。

また、経歴や専門分野がさまざまに異なる社員が参加できるようになるため、ダイバーシティとインクルージョンが促進されることにもなります。その結果、多様な視点、経験、知識、専門性が組み合わされて、新しいアイデア、創造的な問題解決、イノベーションを生み出すことが可能になります。簡単に言えば、これが動画エンゲージメントによって変化を引き起こす、最も大きな効果なのです。

2.採用とオンボーディング

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続いている間は、86%の企業が動画を使って採用候補者との面接を行っていました。しかし、動画を利用してできることは、もっと他にもあるはずです。

動画を使えば、企業の文化や価値観を強くアピールできます。主要な社員に会社での仕事をどう感じているかを動画で語ってもらえば、企業アピールに人間味を加えることができます。また、海外から人材を募集する場合は、地元の紹介や新しい国での生活に慣れるためのアドバイスを収録した動画で求職者を惹きつけ、求めている人材に自社をアピールできます。

さらに、新入社員が入社したら、彼らのエンゲージメントを高めるための動画を作成して、CEOによる歓迎の言葉を紹介したり、企業文化への理解を手助けしたりできます。ランチの店やITサポート窓口を紹介するのもよいでしょう。

3.商品とサービス

社員は、自分の会社がクライアントや顧客に何を提供しているのか詳しく知ることで、自分が所属している組織の価値を知り、自分の仕事に誇りを持てるようになります。社員エンゲージメントを高める動画は、こうした理解を生み出して深めてもらううえで、欠かせない役割を果たすものです。

動画でアニメーションを利用したり、主要な社員の一言や舞台裏の様子を紹介したりすることで、没入感の高いブランド体験を生み出すことができます。また、新しい商品やサービスを社内で発表し、開発、営業、広報、マーケティングの各部門の認識を統一する手段としても、動画は効果的です。

4.会社のニュース、見解、最新情報

年次報告や最新情報を伝えるのに、PowerPointを使った無味乾燥なプレゼンテーションではなく、より説得力の高い方法を使いたい場合にも、社員エンゲージメントを高める動画を使うのが最適です。統計データをシェア可能な図やグラフに変えたうえでコメントやインサイトを追加すれば、チームに情報とヒントを伝える強力なツールとなります。Adobe Marketo Blogは、「会社の財務状況や目標を知った社員は、自分が会社全体の取り組みに大きな役割を果たしていると感じやすくなる」と指摘しています。

また、困難な仕事を達成したのに見過ごされたかもしれない個人やチームに焦点を当て、その仕事ぶりを称賛するのにも動画は効果的です。オフサイトの仕事で達成したことを称賛したり、残業で頑張った人を支援したり、重要な取り組みの進捗状況をすべての社員に伝えたりすることにより、社員を重視している姿勢を動画を使って強調できます。

社員は、自分が評価されていると感じると、退職する可能性が低くなるものです。Forbesによれば、こうした取り組みによって企業は、新規採用のコストを最大で4,129ドル節約し、42日分の生産性の損失や低下を防ぐことに成功しました。

5.経営幹部からのコミュニケーション

企業の幹部が積極的に姿を見せることは、モチベーションを高めるうえで効果的です。動画は、幹部と全社員との間に直接的なつながりを構築するものです。こうしたパーソナルなリーダーシップコミュニケーションは、社員エンゲージメントに計り知れない効果をもたらします。企業の幹部は、顔と名前を覚えてもらうことで、自分たちの意思決定や戦略、あるいはビジネスの価値を、人間味のある形で誠実に伝えられるようになります。

business leader connects with an employee using video

企業の幹部は、動画エンゲージメントを通じて社員とつながることができる

動画エンゲージメントを測定する方法
動画エンゲージメントを測定する方法

動画コンテンツに時間やお金を費やしても、効果がなかったら意味はありません。では、動画の成功を測定するにはどうすればよいでしょうか。提供するコンテンツを微調整し、目標とするレベルの社員エンゲージメントを実現するために利用できる方法は数多くあります。

• リーチ – 何人が動画を見たか。
• 平均視聴時間 – 動画を最後まで見たか、途中で離脱したか。
• オーディエンス - 誰が動画を見たか。
• エンゲージメント – フィードバック、コメント、「いいね!」を獲得したか。どれだけ多く、シェアされたり転送されたりしたか。

しかし、落とし穴もあります。英国の大手放送局への動画コーチとして活動するJames Lavers氏によれば、企業は社員エンゲージメントを高めるための動画について、同じ過ちを繰り返すことが多いそうです。

最初の罠は、社員に何かを「理解してもらおう」とし、それを目標にすることです。しかし、理解という無形のものを測定するには、どうすればよいのでしょうか。同じことは、社員エンゲージメントにも当てはまります。

「たいていの場合、話している内容が伝わっているかがわかるような、重要かつ肯定的で、検証できて、目に見える指標を1つだけ探すべきです」と、同氏は述べています。エンゲージメントとはどのようなことなのか、自問してみましょう。エンゲージメントが高まった人は、何をするのでしょうか。そのことは、どうすればわかるのでしょうか。

動画をメディアとしてとらえ情報を流すだけでなく、動画を機会ととらえ、視聴した人の行動に変化や影響を与えるものだと考えてください。これを実現する唯一の方法は、コンテンツで魅了することです。

動画エンゲージメントを高める方法

動画エンゲージメントを高める方法

ある程度の技術的知識や常識があれば、キャプションやグラフィックを追加したり、背景をシンプルにしたりするといった方法で動画の見た目を良くすることはできるでしょう。しかし、最大の影響をもたらすのは話し手です。

同氏は、講演、研修、会社の最新情報などを提供するうえで使える、動画でエンゲージメントを高める5つの鉄則を紹介しています。

1.「自分が動けないのなら、人を動かすことなどできません。これが影響力の基本です。」

例えば、会社に対する情熱を喚起したいのなら、自分自身がその情熱を持っている姿を示す必要があります。プレゼンテーションがどんなに洗練されていても、情熱不足を補うことはできません。

2.「誠実でなければ、すぐに見破られてしまうでしょう。」

プレゼンテーションスキルやメディアトレーニングは、話術に磨きをかけるのには役立つでしょう。しかし、常に優先すべきは、信頼性、透明性、そして誠実性です。

3. 「リモートで視線を合わせる方法を学びましょう。」

視聴者を完全に惹きつけられる形でカメラのレンズを見る方法を学びましょう。

4.「声の変化を使いましょう」

重要な内容を伝えるときには、話すスピードを落として一呼吸を置いた後に、そのメッセージを伝えましょう。無言の時間を恐れることはありません。それは効果的なのです。リーダーシップを示すうえではそのほうが、立派なスーツ姿や輝かしい社歴を見せるよりもはるかに効果的です。

5. 「強調したいときは、手を動かしましょう。」

TEDのスピーカーに登壇した作家で、TRUTHPLANEの共同創設者でもあるMark Bowden氏は、G7のリーダーや政治家と仕事をした経験があります。同氏はトレーニングの一環として、手と体の位置関係を使うことで、自分の言葉を無意識に強調できるようになったと述べています。

腰の辺りで手を使ってジェスチャーをすれば、自分は信頼できるということを視聴者に伝えられます。また、上半身を動かすことで情熱を伝えられ、首から上のあたりでジェスチャーをすることで知的な刺激を与えられるそうです。

その他のニュース

この記事は役に立ちましたか?
ご協力ありがとうございました。

最近の投稿

社員エンゲージメント | 所要時間: 8分

社員エンゲージメントとは?

社員エンゲージメントは、生産性から満足感まであらゆることに影響をもたらします。社員エンゲージメントの向上につながる主な要因と、職場で社員のエンゲージメントがなくなっている状況を発見する方法を学びましょう。

社員エンゲージメント | 所要時間: 8分

社員への満足度アンケートが効果的な理由

社員への満足度アンケートで尋ねるべき、最適な質問は何でしょうか。意識アンケート、360度フィードバック、その他のアンケートで尋ねるべき質問について説明します。

ビジネスコミュニケーション | 所要時間: 7分

ビジネスコミュニケーション戦略

社員が職場に戻り始める中、適切なコミュニケーション戦略によって、デジタルコミュニケーションと対面でのコミュニケーションの効果をどのように最大限に高められるのでしょうか。この記事で考えてみましょう。