リモートワークのポリシー: 専門家からのアドバイス

ビジネスリーダーたちは、リモートワークの導入によって大成功を収められることに気付き始めました。リモートワークの堅牢なポリシー策定と導入にあたって理解しておくべきことをご紹介します。

リモートワーク | 所要時間: 6分
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リモートワークのポリシー

ビジネスリーダーたちは、リモートワークの導入によって大成功を収められることに気付き始めました。リモートワークの堅牢なポリシー策定と導入にあたって理解しておくべきことをご紹介します。

Workplaceを使って業務を簡素化

オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行下で、世界中の何百万もの人々がリモートワークを行ってきました。この危機が去った後も、リモートワークが長く定着することは意見が一致するところです。

これには、もっともな理由があります。人々はリモートワークの柔軟性を求めており、その柔軟性は生産性の向上につながります。ある調査によると、米国のリモートワーカーはオフィスに常駐しているワーカーよりも1か月あたり1.4日多く仕事に費やしており、最終的な収益にメリットをもたらすことがわかっています。

では、どうすればこの成功を足場にして、柔軟性がもたらすメリットを最大限に活用できるでしょうか?適切な情報が含まれたリモートワークのポリシーが重要な役割を果たします。

Remote working policies will prove increasingly important in the hybrid workplace

ハイブリッドな職場ではリモートワークのポリシーがますます重要になっています

リモートワークのポリシーが必要な理由

リモートワークのポリシーが必要な理由

チームの誰もがルールを知っています。そのため、従業員が自宅またはオフィス以外の場所で仕事を行うことを許可した場合に、正式なポリシーを策定する必要はないと考えます。

それは間違いです。リモートワークは、全員が1つの場所で働くこととはまったく異なっています。誰がいつ、どこで、何を行うかを明確に指示しないと、混乱や不公平感を生み、つながりが失われることになります。それは企業が負っているリスクであり、半数以上の企業(57%)がリモートワークのポリシーなしで操業しています

NGA Human Resourcesのコンテンツマーケティングのグローバル責任者であるJason Hicklin氏は、「現在、リモートワークのポリシーが実際に必須になっています。特に多くの仕事はリモートで行えることが明らかになったため、新型コロナウイルス感染症の流行状況を鑑みて、このポリシーに注目が集まっているのです」と述べています。

「自宅で仕事を行える場合、誰もが在宅勤務できることを明記したポリシーを導入することで、結果に明確な差異が生まれます。そのポリシーを導入しない場合、ルールを一人ひとりに合わせて用意しなければならなくなるため、意見の相違が発生します」とHicklin氏は語ります。

それは、ルールを策定することではありません。「適切なリモートワークのポリシーは、企業が従業員に期待していることやルールを必ずしも定めるわけではありません。その代わり、従業員に自己決定権を与え、最適な方法で仕事を行えるようにすることで、最終的に生産性を向上させて、企業の成功を導きます」とSage PeopleのバイスプレジデントであるPaul Burrin氏は述べています。

では、リモートワークのポリシーとは、どのようなものでしょうか?

効果的なリモートワークのポリシー: 基本

効果的なリモートワークのポリシー: 基本

すべてポリシーが同じわけではありませんが、次のような注目すべき共通の領域がいくつかあります。

  • 誰が、いつ、どこでリモートワークを行えるのか
  • 機器
  • 勤務時間
  • コミュニケーション
  • サイバーセキュリティ
  • 目標の設定
  • 心身の健康

これらの領域を個々に見てみましょう。

誰が、いつ、どこでリモートワークを行えるのか

誰が、いつ、どこでリモートワークを行えるのか

新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、どのような仕事をリモートで行えるかに関する認識に革命をもたらしました。これは、リモートワークのポリシーも変わる必要があることを意味します。これは、リモートワークのポリシーも変わる必要があることを意味します。

「これまで、リモートワークのポリシーでは、従業員がオフィス以外の場所からいつ、どのように仕事を行えるかについて概要を定めていました。現在、私たちは逆のことを期待しています。それは、新しいポリシーにより、従業員がオフィスでいつ、どのように仕事を行えるかを規定することです」とBurrin氏は語ります。

Sage Peopleの調査レポート「The changing face of HR (変化するHRの様相)」によると、「新型コロナウイルス感染症の世界的流行以前でも、多くの組織は柔軟なリモートワークやモバイルワークをある程度実施しており、95%のチームリーダーが柔軟な働き方をすでに提供しているか、今後2年以内に提供する予定である」ことが明らかになっています。

「逆説的ではありますが、ウイルスが予想外の触媒として機能し、世界中でデジタルトランスフォーメーションを加速させたため、多くの人々にとって、リモートワークがニューノーマルになりました」

これは、誰もがリモートワークを常に行うようになるという意味ではありません。従業員がリモートワークを行うことで、必ずしもメリットがもたらされるわけではありません。リモートワークには最適な活用方法があり、オフィス以外で働く時間の割合が60%~80%のときに、従業員のエンゲージメントは最も顕著に向上しています。そのため、ポリシーを策定するときは、この点を考慮する必要があります。

従業員が仕事を行える場所についても考えてください。リモートワークは自宅のみで行う必要があるのでしょうか?または、共有のワークスペースでリモートワークを行えるようにしたり、コーヒーショップで仕事をしたりすることを許可しますか?これらのルールをポリシーで明確にする必要があります。

仕事の機器

仕事の機器

「組織は、従業員がリモートで働いているかどうかに関係なく、仕事を簡単に行えるようにするために必要なテクノロジーを従業員に提供する必要があります」とBurrin氏は述べ、リモートで働く新しいスタッフを管理するクラウドベースのテクノロジーの重要性を強調しています。

機器について明確にする必要があります。ポリシーでは、誰が機器を提供し、誰が機器を設定し、誰が機器に対して責任を持つかを規定する必要があります。また、例えば、従業員が会社のノートパソコンを都合の良いときに使用できるかどうかや、使用できる場合は、そのノートパソコンにソフトウェアをインストールしたり、個人用のデバイスでそのソフトウェアを使用したりできるかどうかなど、機器の使用に関するルールをポリシーに含める必要があります。決定的に重要なことは、何か問題が発生したときに、従業員はどのように対処する必要があるかを規定することです。

勤務時間

勤務時間

リモートワークは時間に関して柔軟性をもたらします。これは、リモートワークを魅力的にしている1つの要素です。しかし、組織が柔軟性を管理できない場合、リモートワークは望ましくない効果を生みます。つまり、従業員が超過勤務を過度に行ったり、必要なときに従業員に連絡できなくなったりします。

「仕事と生活の境界があいまいになり、区別がつかなくなるという危険があります。その場合、従業員が午後10時にあるいは週末にメールに返信するようになるでしょう。これは、メンタルヘルスの観点から見て不適切な状態です」とHicklin氏は述べています。

しかし、自己決定権は重要です。Burrin氏は、「ご存知のように、従来の9時から5時までの勤務時間は時代遅れになっています。従業員が最適な時間帯に働けるようになれば、組織はエンゲージメント、生産性、パフォーマンスを向上させることができます。今日では、柔軟な勤務時間がかつてないほど重要になっており、多くの従業員は、時間のとられる育児とフルタイム勤務のバランスを取っています」と語っています。

勤務時間に関して明確なガイダンスを策定し、勤務時間を追跡するシステムを導入することにより、柔軟性を損なうことなく、従業員が働き過ぎているかどうか、または働く時間が短すぎるかどうかを把握できるようになります。

コミュニケーション

コミュニケーション

「組織の従業員が最新情報を常に把握できるようにするには、ターゲットを絞った効果的でパーソナライズされた双方向のコミュニケーションを定期的に取る必要があります。そのようなコミュニケーションを実現することで、従業員は状況を把握して、リアルタイムで質問したり、フィードバックを提供したりできるようになります」とBurrin氏は指摘しています。ただし、リモートワークの場合、マネージャと従業員にとって、コミュニケーションは最大の課題の1つです。

コミュニケーションの欠如はパフォーマンスの低下を招き、最終的には、リモートワーカーの間で最も一般的な問題である孤立感をもたらします。そのため、コミュニケーションは単に生まれると想定しないことが重要になります。ミーティングを実施するタイミングと方法に関するガイダンスを策定してください。また、トップダウンのコミュニケーションではなく、コミュニケーションを双方向にしてください。チームに情報を順送りに伝えるのではなく、チームで何が起こっているかを把握する必要があります。Burrin氏は、パルスサーベイを実施して、チームがどのように感じているかを評価し、幅広いインサイトを獲得することを推奨しています。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティ

リモートで働いている従業員は、オフィスで仕事をしている従業員とは異なるサイバーリスクに直面しています。例えば、公共の場や共同宿泊施設には、ショルダーサーフィンや安全でないネットワークなどの問題があります。「自宅にいる場合でも、家族の誰かが個人情報を見る可能性があり、その場合は、セキュリティ侵害につながる恐れがあります」とHicklin氏は指摘しています。

ポリシーにより、従業員がリスクを認識できるようにする必要があります。また、リスクを回避する方法に関するガイダンスを提供したり、セキュリティが侵害されたときに講じる措置を指示したりする必要があります。ノートパソコンから離れるときは画面をロックするように指示することなど、簡単な手順が大きな効果を発揮します。

目標の設定

目標の設定

達成しようとする目標を把握することは常に重要ですが、促したり励ましたりしてくれるチームメンバーやマネージャが目の前にいない場合、目標の設定が非常に重要になります。つまり、チームメンバー全員に対して目標を明確にする必要があります。

Burrin氏は、「SMART (具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、タイムリー(Timely)な目標を設定し、従業員の進捗状況(個人的およびプロフェッショナルな面での進捗)を把握するために連絡を定期的に受け取り、サポートを継続的に提供しながら、課題を解決する方法について話し合うことが重要です」と述べています。

また、成功を祝福することを忘れないでください。「励ましの言葉をかけ、業績を認め、成功を祝うことが重要です。今は、ソーシャルな活動がやりにくいときですが、より人間的になるチャンスです」ととBurrin氏は付け加えています。

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心身の健康

心身の健康

柔軟性によりワークライフバランスや心身の健康が向上しますが、リモートワークは、特にリモートワークに慣れていない従業員の場合、孤独感をもたらす可能性があります。

Hicklin氏は、「多くの従業員は在宅勤務を楽しんでいますが、特に1人で生活している従業員の場合、しばらくすると孤独になる可能性があります。ポリシーにメンタルヘルスに関する項目を盛り込み、従業員がマネージャや同僚のグループに定期的に連絡を入れるようにする必要があります」と述べています。

マネージャが他者の感情を理解して共感を示すことも助けになります。「多くの従業員はコンピューターの前で毎日何時間もビデオに映っているところを見ていて、精神的に疲弊しています。働き方に関して、より寛大な柔軟かつ親身な態度を取るようにマネージャを促すことで、従業員がストレスを管理して、心身の健康を維持できるようにすることが重要です」とBurrin氏は語ります。

リモートワークは身体的な問題も引き起こす可能性があります。在宅勤務に関する調査では、半数以上の回答者が新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴うロックダウン中に新しいうずきや痛みを感じたことが明らかになりました。したがって、ポリシーでは、従業員に休憩や運動のための時間を組み入れることを推奨する必要があります。

私たちの大多数にとって、リモートワークは新しい体験であり、あらゆる新しい試みの場合と同じように、それは進化して成長します。リモートワークは、この新しい世界を最大限に活用するための1つの要素にすぎません。

Burrin氏は、「私たち全員は別の方法で生活したり働いたりすることに適応する必要があります。それぞれの従業員が独自性を持っており、この進化を続ける環境に対応して、自己管理することを学びます。最終的に組織は、可能な限り最高の従業員体験を提供するように努力する必要があります。優れた体験を提供すれば、意欲とエンゲージメントを高め、生産性を改善して、優秀な従業員を維持できるようになります」と述べています。

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