メンバーがお互いを信頼すると、チームの幸福度が高まり、生産性が向上します。リモートで働く場合、信頼はどのように築かれるのでしょうか?

信頼は組織を成功に導く要素です。社員は、隣のデスクで仕事をしていても、800キロ離れたコーヒーショップで仕事をしていても、チームメイトは信頼できる人物だと認識しておかなければなりません。

Workplaceを使って業務を簡素化

オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。

数字を見てください。「信頼度の高い」組織で働く人々は生産性が50%高く、活力が106%高く、病欠が13%少ないのです。幸福感も高まります。ストレスが少なく、仕事に集中でき、満足度が高く、燃え尽きる可能性も低くなります。1 このことは、収益だけでなく、社員の制作物や提供するサービスの質にも影響を及ぼします。2

信頼関係の構築は、リモートワークでも同じように重要ですが、職場での関係構築とはやはり異なります。ですから、信頼関係構築に向けた計画を立てる前に、具体的に何を構築しようとしているのかを理解しておくとよいでしょう。

そもそも信頼とは何か?

そもそも信頼とは何か?

信頼とは、他人の能力を信じ、約束を守られることに身をゆだね、全員が自分の力を発揮してくれるという自信を持つことです。また、人間関係や友人関係も信頼に関わります。これがなければ、信頼が育つ余地はありません。上司と社員の間や、社員同士の信頼関係が、職場の中でどのように連鎖していくかという問題もあります。

Great Place To Work® Trust Index Employee Survey©は、従業員の視点から職場の文化を評価するものです。経営陣と従業員との信頼関係や、同僚との仲間意識の高さなどを分析しています。この評価指標において、信頼とは「信用」「尊敬」「公正」の3つの要素で成り立っています。信用を高めるには、マネージャが有能で頼れる人物だと社員に認めてもらう必要があります。尊敬とは、サポートを与えること、協力的であること、配慮を示すことを意味し、公正は、平等、公平性、正義からなるものです。

信頼は、信用、尊敬、公正という3つの要素で成り立っています。信用を高めるには、マネージャが有能で頼れる人物だと社員に認めてもらう必要があります。

“信頼は、信用、尊敬、公正という3つの要素で成り立っています。信用を高めるには、マネージャが有能で頼れる人物だと社員に認めてもらう必要があります。”

また、認知的信頼と感情的信頼という考え方もあります。認知的信頼とは、リーダーの職務遂行能力について人々がどのように感じているかということです。このような信頼は、感情ではなく、スキルや資格などの面でのリーダーの立ち位置の認識に左右されます。

感情的信頼は対人関係であり、共感と人間関係がすべてです。優れた人材マネジメントを行う企業を認定する英国の団体Investors in Peopleによると、有能なリーダーにはどちらの信頼も欠かせないといいます。しかし、人によって2種類の信頼の捉え方は異なるでしょう。もしあなたが非常に野心的であれば、認知的信頼はよりあなたの心に響くことでしょう。感情的な知性に敏感であれば、感情的な信頼をより高く評価することになるでしょう。

研究者集団のReina and Reinaは、信頼をさらに3つのタイプに分類しています。契約上の信頼とは、相手が言ったことを実行する、という人と人との間の理解で す。そのためには、目標、役割、責任を明確にする必要があります。

能力上の信頼とは、互いの能力を信頼することです。これを実現するには、管理者は社員に権限を委譲し、社員は知識を自由に共有する必要があります。

そして、コミュニケーションの信頼は、真実を伝え、情報を積極的に共有し、人々が安心して質問や問題提起ができるようにすることで生まれます。いずれも信頼関係が崩れる可能性がありますが、それを再び築き上げることが良い経営の鍵の1つです。

信頼について、特定の考え方に縛られる必要はありません。どのモデルも有用であり、すべて次の重要な点に帰着します。すなわち、信用、人間関係、コミュニケーションです。しかし、全員が同じ場所で働いていないとき、これらをどのように伝え、伸ばしていけばいいのでしょうか?

リモートワークの世界での信頼

リモートワークの世界での信頼

リモートワークの熱烈な支持者でさえ、分散したチームでは信頼を得るのも維持するのも困難であることを認めています。これは雇用主や従業員にとって大きな負担です。大企業のマーケティング担当者の57%が、長期のリモートワークにおいてパフォーマンス管理が課題であると回答しています。

一方、コロナウイルス感染症の流行が始まった際、管理職からリモートワーカーの生産性やエンゲージメントに関する懸念が繰り返し聞かれました。社員が目の届かないところで、やるべきことをやっているかどうか、不安になるのは誰でも嫌なものです。しかし、それと同様に、自分への信用のなさからマネージャに首を突っ込まれたいと思う社員もいないでしょう。このような問題を解決できないと、リモートチームはすぐに崩壊してしまうのは目に見えています。

現場のチームにおける信頼関係の構築は、努力なしにできるものではありません。しかし、同じ場所で仕事をしていると、特にチームメンバー同士の信頼関係が有機的に育まれる機会があります。コーヒーマシンのそばでおしゃべりしたり、一緒にランチに行ったり、週の終わりにゆっくりお酒を飲んだりと、そんな何気ないやりとりが、人と人をつないでいきます。さらに、経営者が社員とどのように接し、どのように仕事をしているかを間近で見ることができるため、時間の経過とともに経営者の能力に対して信頼感を持つことができます。

チームメイトが何百キロも離れていたり、時間帯が違ったりする世界では、こうしたことが欠けてしまうのです。また、マネージャは、チームが直接会ったことがなく、自分たち以外の人と接しているところを見たことがない人かもしれません。

現場のチームでも信頼関係を完全に偶然に任せることはできませんが、有機的な交流がほとんどないリモートワークのチームでも同じことが言えます。信頼関係の構築は十分に可能ですが、そのためには意識的に努力する必要があります。組織としてどうすればいいのかを見ていきましょう。

リモートチームと信頼関係を築くには

リモートチームと信頼関係を築くには

チームのミッションステートメントを作成する
チームのミッションステートメントを作成する

目標や仕事の進め方を定めたミッションステートメントを作成し、全員で共有しましょう。仕事のスタイルについて、チームメンバー一人ひとりとおしゃべりしながら、それを形にしていくのもいいでしょう。これは、チームと彼らの意見を知り、彼らの貢献を評価していることを示し、全員が同じ認識を持ち、お互いに何を期待しているかを知るチャンスです。

期待値を明確にする
期待値を明確にする

リモートチームでは、曖昧さは許されません。社員は、自分が何をすべきかを知らなければ、自分の力を発揮できません。管理職は、部下に適切な仕事量を設定し、期待値を明確にする必要があります。何をすればいいのか、どれくらいの時間があるのかが分かれば、誰もが自信を持つことができます。また、何か問題があれば、いつでも連絡できるようにしておくことも大切です。

チームのニーズに応える
チームのニーズに応える

業務に必要な機器を把握し、それを確実に支給しましょう。わからなければ誰かに尋ねましょう。必要なものが揃っているか定期的に確認し、要望には迅速に対応しましょう。

リモートチームメンバーをつなぐ
リモートチームメンバーをつなぐ

チーム全員がお互いのデスクを行き来して挨拶することはできないので、チームをつなげる努力をしましょう。チームを理解し、信頼していることを示すために、補完的なスキルを持つメンバーを一緒に働かせ、その強みを認めましょう。プロジェクトグループを立ち上げ、チームやサブチームのミーティングをオンサイトの環境より頻繁に開催しましょう。少なくとも週に1回は、チーム全員でのビデオ会議が欠かせません。

仕事一辺倒にしない
仕事一辺倒にしない

友情は大切です。職場に親友がいるとはっきり回答した女性の63%は、そうでないと回答した人に比べて仕事に熱中する確率が2倍に上ることがわかっています。友達を作るために、チャットグループを作り、クイズやコンテスト、週終わりのチャットなど、リモートでの楽しい集まりを企画しましょう。そうすることで、堅苦しくない形でお互いを知ることができます。

リモートチームの構築について詳しくはこちら

功績を認める
功績を認める

成果を認めることが最も大きく信頼を生むのは、誰かが目標を達成した直後で、しかもそれが公にされたときです。チームメンバーが何かを達成したとき、チャットチャネルを使用して祝福し、彼らの成果を周知しましょう。同僚の推薦を募り、ギフトカードなどの特典を与えることで、社員への感謝の気持ちを伝えましょう。

違いを認め合う
違いを認め合う

リモートでの対話では、理解を得るために、より多くの努力を払わなければなりません。オンラインチャットや電話では、ボディランゲージは見えません。研究者によると、ビデオ会議でも参加者の「認知負荷」は高く、物理的な会議と同じように情報を処理することはできないといいます。リモートチームのマネージャはこれを変えることはできません。しかし、相手が何を感じ、何を考えているかを知るために、オープンな質問をすることで、バランスをとる工夫が不可欠です。同じ質問をするように促し、それに対して正直に、率直に回答できるようにしましょう。

ビデオ通話を改善しませんか?バーチャルチームミーティングガイドを読む

メッセージに返信する
メッセージに返信する

調査によると、リモートチームの作業においては、タイムリーで予測可能なコミュニケーションが重要であることが分かっています。社員は机の上に身を乗り出してすぐ答えられる質問を投げかけることができないので、メッセージには一貫して、適度な時間で応答することを目指しましょう。緊急の問い合わせでなく、自分が忙しい場合は、相手にその旨を伝え、後で返事をすることを伝えましょう。メッセージを受け取ったかどうか、相手を不安にさせないようにしましょう。

つながりを維持しましょう。その方法の詳細はリモートワーカーとの関係を深めるための4つの方法をご覧ください。

社員にもっと主導権を握らせる
社員にもっと主導権を握らせる

71%の社員がフレックスタイム制を魅力的だと答え、非常に高く評価しています。リモートワークへの移行により、特典として柔軟な働き方を提供するチャンスが増えました。3 連絡がつくようにしなければならないコアタイムをいくつか設定し、仕事を完了する時間については選択できるようにすることが可能です。こうすることで、仕事量の管理に一役買ってくれるという信頼感を社員に対して示すとともに、ワークライフバランスを大切にする柔軟な姿勢を示して社員からの信頼を得られるのです。

マイクロマネジメントの衝動を抑える
マイクロマネジメントの衝動を抑える

手放すことを学びましょう。リモートチームを管理することは、オンサイトチームと同じように権限を委譲することを意味します。常に相手の肩越しに見ているように感じさせることは、間違ったシグナルを送り、相手の信頼を損ねることになります。プロジェクトについて話し合う機会を十分に設け、明確で正直なフィードバックを提供しましょう。

開かれた雰囲気を作る
開かれた雰囲気を作る

アイデアや意見を共有することは、信頼とコラボレーションのリモートワーク文化のすべてです。チームメンバーの意見を聞き、敬意を持って耳を傾けましょう。そして、真実を語り、透明性を保つことで、雰囲気を作りましょう。また、チームミーティングや1対1のミーティングをカレンダーに入れることは重要ですが、すべてを計画立てるのはやめましょう。必要なときに気軽にメッセージを投稿したり、ビデオ通話ができるように、バーチャルな扉を開いておくのです。

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