プレゼンテーションスタイル: プレゼンの質を高めるための専門家のアドバイス

投稿者: Mike Sharkey

プレゼンテーションを行うときは、その内容がビジネスピッチ、全社に向けたメッセージ、トレーニングコースのいずれであっても、最大限のインパクトを与えたいと思うはずです。そこでFacebookは、パンチの効いたプレゼンテーションを行うためのアドバイスを専門家に伺いました。

プレゼンテーションの手法

プレゼンテーションスタイルに関する理論は数多く存在します。プレゼンテーションがビジネスコミュニケーションのきわめて重要な部分を担っていることを考えると、これは驚くべきことではありません。何枚ものスライドを使って事実や数字を次々と紹介するデータ中心のアプローチや、エピソードを紹介してオーディエンスを惹きつけるストーリー重視のアプローチなど、プレゼンテーションで使用できる手法にはさまざまな種類があります。

ただし、さまざまなプレゼンテーション手法を知ることが役に立つ一方、ほとんどの人は効果的なプレゼンテーションの作り方について同じ疑問を抱いています。それは、プレゼンテーションで目標を達成するにはどうすればよいか、人々とつながるにはどうすればよいか、オーディエンスを退屈させずに惹きつけるにはどうすればよいかといったことです。この記事では、そうした疑問について専門家の考えをご紹介しましょう。

プレゼンテーションを行う目的を認識する

美しいスライドを作成したり、鏡の前でリハーサルをしたりする前に、一歩下がって自分のプレゼンテーションで何を達成したいのか考えることをおすすめします。

この点について詳しいのが、Workplaceチームで顧客教育とトレーニングの専門家を自称するJesse Evansです。「プレゼンテーションをする場合でも教える場合でも、あなたは常に人を説得する立場に立つことになります」と、彼は言います。「あなたは行動に変化をもたらそうとしているのです。これが常に目標となります。誰かに今までと違うことを行ったり考えたりしてもらうことが狙いなのです」。

トレーニングとコーチングを手がけるBrunel Harper社を創設したDavid Bliss氏も、この考えに同意します。「自分がどういうストーリーを描きたいのかを理解する必要があります。自分が何を達成したいのか、オーディエンスに何を感じてもらいたいのか、最終的にオーディエンスに何をしてもらいたいのか、そしてオーディエンスが期待どおりに行動したことをどうやって確認するのかといったことです」と、同氏は述べています。

こうした疑問の答えがわかれば、プレゼンテーションの作成に取りかかることができます。

プレゼンテーションで重要なのは自分ではない

プレゼンテーションをする人は誰もが自分自身のことを気にかけます。自己紹介はどうすればよいか、自分はどんな印象を持たれるか、どのようなプレゼンテーション手法を使うべきか、といったことです。しかし、こうしたことにこだわりすぎるのは間違いだと専門家らは指摘します。

例えば、長い自己紹介は禁物です。誰も興味を持ってはくれません。「自分のことを、信頼できそうで話を聞く価値がある人だと思ってもらえるだけで十分です。そして、話す内容と話し方で、あなたが本当に信頼できる人間であると認めてもらうのです」と、Jesseは言います。

David氏もこの意見に同意し、「プレゼンテーションで重要なのはオーディエンスです」と述べています。「プレゼンテーションが話し手の体験談や会社の経験と知識を披露する場と化してしまう例が、非常に多く見られます。しかし現実には、あなたがプレゼンテーションを行っている相手は、自分たちが理解すべきことにしか興味を持っていません。あなたが専門知識や技術を持っているのは当然のことなのです」。

プレゼンテーションのコツは、質問して、傾聴し、回答すること

「これから学ぶべき最も重要なルールは『誰かが発言できるようなことを絶対にあなたから言わない』ということです」と、Jesseは言います。人々に発言してもらうには質問をする必要がありますが、その前に彼らが安心して参加できるような環境を作る必要があります。人々に発言を促し、リアクションがあるまで待つ勇気を持ちましょう。「7秒ルールに従ってください。質問をしたら、必ずその質問を繰り返します。ただし、リアクションが得られるまで少なくとも7秒間待ちましょう。また、安心を得たいだけのために、最初のリアクションに飛びつくことのないようにしてください」(Jesse)。

オンラインプレゼンテーションで人々がきわめて消極的なときは、プライベートチャットが味方になります。そこで見た質問について話すことで(たとえまだ質問がないとしても)参加を促すことができます。

彼らが発言を始めたら、その内容をよく確認しましょう。「必ずその人の名前を呼んで返答してください。このような行動を積み重ねれば、人々がリラックスし、発言するリスクを厭わなくなります」(Jesse)。

また、どのように返答するのかを考えましょう。「聞くスキルを高めるのはもちろんですが、最も重要なのは、オーディエンスが使っている言葉をそのまま使うことです。言い換えはしないでください。相手の言葉を使えば、あなたがきちんと質問を聞いたことがその人に伝わります」(David氏)。

柔軟にプレゼンテーションを進める

今日が大事なプレゼンテーションの日だとしましょう。あなたはチームとの連携をスムーズに進め、何時間もリハーサルを重ねてきました。しかし、プレゼンが順調に進んでいると思われた矢先、クライアントになるかもしれない相手が、不意を突く質問を投げかけてきました。これは困難な状況なのでしょうか?必ずしもそうではないと、David氏は指摘します。方向転換に対処することは、成功に欠かせない要素です。

「私はいつも言っているのですが、非常に早い段階からオーディエンスとやり取りしておけば、彼らは本当に知りたいことを話してくれるようになります。それが準備していた内容と違う場合もあるでしょう」と、彼は言います。

「人々が話す言葉に耳を傾け、そこから何らかの手がかりを聞き取れるチームは、『どうやら彼らはこの点についても質問しているようだ。今すぐ対応するにはどうすればよいだろうか』と考えます。そのため、柔軟性があるとみなされ、多くの場合は仕事を勝ち取ります。このようなチームは聞く耳を持っており、自分たちが予定していた話よりも相手が熱心に聞いてくれる話を優先するのです」。

PowerPointは演台ではない

プレゼンテーションを予定している人は、誰もがどこかの時点でスライドのことばかりを考えるようになります。では、プレゼンテーションをわかりにくいものにせず、より良いものにするには、どのようなスライドを作ればいいでしょうか。

「PowerPointは、ビジュアルを駆使して、中心的なコンセプトを人々に思い出してもらうためのものです。台本にするためのものではありません」。さらにJesseは、次のように断言します。「PowerPointsは演台のように思えるかもしれません。うまく使えば素晴らしいものですが、多くの人は頼りきってしまい、プレゼンテーションに動きが生まれなくなります。つまり、場のスペースを有効に有効に活用できないため、人々をうまく惹きつけられないのです。ただし、問題はPowerPointにあるのではなく、その使い方にあります」。

重要なのは、複雑すぎるスライドで人々を圧倒しないようにすることです。

「スライドは、時間を区切ったり質問を投げかけたりするために使ってください」と、Jesseは説明します。「ビジュアルを複雑にするのは明らかに問題です。ビジュアル要素は数個にとどめましょう。特に単語に関しては、1枚のスライドで表示する単語を数個に限定して、そのぶん余白を確保してください。そうすることで、脳が重要なものだけに集中できるようになります」。

プレゼンテーションの手法を検討する

全体的なアプローチがどのようなものであっても、いくつかの検証済みの手法を利用すれば、メッセージを確実に伝えることができます。

例えば、意思決定に関するデモンストレーションでは、「I do, we do, you do」(説明し、一緒に考えてから、自分で考えてもらう)アプローチを採るようJesseはすすめています。まず、意思決定のプロセスや考え方を説明してから、そのプロセスが当てはまる状況について一緒に検討します。そして最後に、別の状況について自分で考える機会をオーディエンスに与え、彼らが正しい理由で正しい結論に達したかどうかを質問形式で確認するのです。

あるいは、以下のように問題解決を試みる方法もあります。

  • 人々に今までと違うやり方で行ってもらいたいことについて考えます。
  • 解決しようとしている問題について話すようオーディエンスに促します。
  • 彼らに実行してもらいたいことを解決策として位置付けます。

Jesseは次のように説明します。「例えば、私のプレゼンテーションスキルのクラスでは、『プレゼンテーションを退屈にさせるものは何でしょうか?』と問いかけます。そして、『以前に参加したオンラインプレゼンテーションを思い返し、そのプレゼンを良くないものにした話し手の行動を考えてみてください』と促すのです」。

「受講者たちがいくつかのことを問題点として指摘してくれるので、全員の意識が一致します。そこで新たな行動変容を促せば、それが、彼らが明らかな問題だと判断したことへの解決策となります」。

オンラインプレゼンテーションならではの工夫をする

パンデミックは、プレゼンテーションの方法を大きく変化させています。私たちは突如として、研修室や会議室ではなくスクリーンの前に立つことになりました。この状況は今までと違うというだけではなく、より良いものになる可能性があります。

「誰もが発言できるようになりました」と、Jesseは指摘します。「チャットボックスがあるため、誰もが途中で質問をして、助けを求めることができます。おかげで、人々をより惹きつけられるようになりました。ただし、これはやり方を変えなければならないということでもあります」。

「オンラインでやりかねない最大の失敗は、誰もがやってしまうことですが、最後に質疑応答の時間を設けると伝え、そのときまで視聴者に質問をさせないことだと思います」。

このようなことが起きないようにするには、チャットであなたの代わりに質問に答えてくれる人が必要です。「50人あたり1人のボランティアがいると助かります」とJesseは言います。「私は何千もの人たちにプレゼンテーションをしてきましたが、いつも少数の専門家が質問にすばやく答えてくれていました。文字どおり数千人いるような状況でも、このように素晴らしい体験をすべての人に提供できるのです」。

オンラインプレゼンテーションでは、あなたがディレクターとして適切な演出をする必要があります。「目線と顔の高さはオーディエンスに合わせるべきです」と、David氏は説明します。「カメラを真っ直ぐ見られるようにしてください。2方向から照明を当てて、影ができないようにすることも重要です。また、背景はシンプルなものにして、人々が後ろにある本のタイトルや植物の状態に気を取られないようにしましょう」。

「身振りはいつもよりやや大げさにしてください。身振りは何かを強調するために利用するだけでなく、オーディエンスにはっきり見えるようにする必要があります」。

自分らしくプレゼンテーションをする

どのような手法を駆使するとしても、プレゼンテーションの成功は、あなたが誠実で信頼できる人間だと思われるかどうかにもかかっています。では、どうすれば自分らしいプレゼンテーションスタイルを見つけられるのでしょうか。

「プレゼンテーションで重要なことの1つは、話し手を信用できる必要があるということです」と、David氏は言います。「何かをうまくやろうとしているように見える人よりも、欠点をさらけ出す人に私たちは信頼を置くものです」。

さらに彼は、こう続けます。「コミュニケーションやプレゼンテーションは、難解な科学の話ではありません。よりうまく、スムーズに進めるための技術を学ぶことはできますが、それは訓練に過ぎず、車の運転を学ぶのとたいして変わりません」。

「重要なのは、動きやジェスチャーを加えたり、力強い声を出したりするといった技術的な能力ではありません。最初に克服すべきなのは、『自分はこの場にふさわしい存在だと確信できるか』という疑問です。確信が持てない場合や、人を騙しているような感じや不安な気持ちをもたらす要素がある場合は、まずそのことに取り組む必要があります」。

「効果があるとわかっていることと、自分らしいと思えるものとの間には、奇妙な対立があるものです」と、Jesseは言います。「非常に運がよければ、この2つが実はとても似通っていることが判明するでしょう。自分のスタイルを確立する前に、実際に何がうまくいくのかを把握することが重要です。なぜなら、オーディエンスはあなたらしさがないことを感じ取ることができるからです」。

「私たちは、あらゆる選択肢が同じように効果的だと考えがちです。しかし、実際には違います。うまくいくものもあれば、うまくいかないものもありますし、あなたにとって効果的なことが、他の人にとってはそうではないこともあります。いすれにしても、学ぶべきことは次々と現れるのが現実です」。

「したがって、まずは何が実際にうまくいくのかを見極める必要があります。そのうえで、自分の個性をどのように取り入れるのかを考えましょう」。

おすすめの記事

最新情報をお見逃しなく。こちらでWorkplaceブログをフォローできます。


いつでも最新情報を入手

Workplaceのニュースレターに登録して優れたコンテンツを豊富に受け取り、最新情報を入手しましょう。


フォローする


チームで変わる。すべてが変わる。

その他のニュース