ポジティブな職場環境を作るための7つの方法

ポジティブな職場環境を構成する要素にはどんなものがあるでしょうか?同じ場所で仕事をしていない状況でポジティブな職場環境を作るには、どうすればよいのでしょうか?この記事で見ていきましょう。

カルチャー | 所要時間: 6分
positive work environment - Workplace from Meta

ポジティブな職場環境は、職場文化従業員体験に欠かせないものであり、ストレスレベルや精神の健康から生産性やパフォーマンスに至るまでのすべてに影響を及ぼします。しかし、ポジティブな職場環境を作ることは、オフィスの壁の色を変えるといった単純なことにとどまりません。実際、そうするには、職場全体をも超えたアプローチが必要になります。

McKinseyの調査ではパンデミック後、在宅勤務をする従業員の数がロックダウン前の最大5倍になる業種もあるだろうと示唆されています。ただし在宅勤務が増えると、企業の職場環境が2019年と比較して、ますます非接触的になります。その一方で、職場環境を改善および活用するために実施できることはたくさんあり、そうすれば従業員が求めている、ポジティブで意欲を高められる職場環境を実現できます。

まずは、ポジティブな職場環境を構成するいくつかの主要な要素と、そのような環境を整える方法について説明します。

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ポジティブな職場環境とは

ポジティブな職場環境とは

「職場環境」について考えたとき、最初に思い浮かべるのは、物理的な空間でしょう。具体的には、自分のデスク、コーヒーメーカーまでの距離、会議室の配色などです。しかし、職場環境を考える上で大事なことは、物理的な空間以外にもたくさんあります。

ポジティブな職場環境は、従業員の幸福、生産性、成長を促進する空間です。また、適切な労働慣行、関連付けることができる価値、支え合う雰囲気、信頼する文化など、いくつかの要因に支えられています。

手短に言うと、ポジティブな職場環境は、能力を最大限に発揮しやすい空間です。これは、従業員が物理的な空間で共同作業しているか、仮想環境を通じてリモートで働いているかに関係なく当てはまります。

ポジティブな職場環境が重要な理由

ポジティブな職場環境が重要な理由

ポジティブな職場環境は、組織内のどのレベルにおいても従業員にメリットをもたらします。Deloitteの調査によると、94%の経営陣と88%の従業員が、ビジネスを成功させるにはポジティブな職場文化が欠かせないと考えています。なぜなら、従業員が満足感やインスピレーションを得られる空間を作れば、従業員の活気とコラボレーションが自然に促進され、個人的な目標やビジネス上の目標を達成しようとする意欲が高まるからです。

ポジティブな職場環境が従業員にもたらす5つのメリットを紹介します。

  • ストレスと燃え尽き症候群の減少

    ストレスと燃え尽き症候群の減少

    英国の労働力調査によると、2019/20年には828,000人の従業員が仕事関係のストレス、憂うつ、不安に苦しみ、その結果として、1,790万日の労働日数が失われました。これは膨大な損失です。

    つまり、従業員がストレスとうまく付き合ったり、燃え尽き症候群を防いだり、欠勤率を最小にしたりするためのサポートを気軽に求められる環境を作ることが重要です。

  • 生産性の向上

    生産性の向上

    満足感と生産性は密接に関連しています。BTの雇用者の生産性を調査したオックスフォード大学の研究では、雇用者が喜びを感じているときは生産性が13%向上し、その結果、仕事の効率が上がり、1時間あたりの電話回数が増え、電話が売り上げにつながる確率が高まったことが示されています1

    ポジティブな職場環境に置かれた従業員はタスクをより効率的に完了できるため、仕事の全体的なアプトプットを向上させると同時に、個人のキャリアアップをより迅速に実現できるようになります。

  • スタッフの維持

    スタッフの離職防止

    従業員が満足していれば、別の就業機会を探し始める可能性が低くなるのは当然です。高給によって有能な人材を引きつけることは可能ですが、企業文化、職場環境、成長する機会が期待にそぐわない場合、人はすぐに新しい仕事を探し始めます。

    Work Instituteは、米国で1人の従業員を補充するコストを15,000ドル(従業員の年収の約3分の1)と見積もっています2。その一方で、1年以内に離職する従業員は、その雇用にかかった投資に対して、ほとんどまたはまったく利益をもたらしません。つまり、短期間に離職する従業員が多いと、企業は最大の損失コストを計上することになりますが、これは回避可能です。

  • 福利の向上

    福利の向上

    CIPDが毎年実施している健康と福祉に関する調査によると、2020年は、職場での精神衛生に関して数値が最も悪化した年でした。3分の2近く(68%)の回答者がある種の不安を報告し、58%が少なくとも軽い症状の抑うつを経験したと述べています。

    ほとんどの従業員が週5日40時間働いていることを考えると、物理的および精神的な満足感が、職場での精神状態に大きな影響を及ぼしていることは間違いありません。将来的には、組織が先を見越した対策を講じて、スタッフの心身の健康をサポートし、ポジティブな職場環境を作って維持する必要があるのは明らかです。
  • 士気の向上

    士気の向上

    簡単に言うと、従業員の士気とは、従業員が職場で感じる全体的な満足感、心境、展望のことです。士気が高い従業員は、スタッフのエンゲージメントとコラボレーションを促進し、職場に前向きな考え方をもたらします。

    職場の士気に影響を与える主要な要因には、従業員と経営陣の間の適切なビジネスコミュニケーションに加えて、調整された明確なキャリアパスを提供したり、成果と従業員の成功を祝福したりすることが含まれます。

Creating a positive work environment extends beyond traditional work spaces

従来の職場以外の場所でもポジティブな職場環境を作ることができます

ポジティブな職場環境を作る方法

ポジティブな職場環境を作る方法

では、どのようにしてポジティブな職場環境を作るのでしょうか?Work Instituteによると、従業員が離職する原因の78%は防ぐことができます。しかし、ポジティブな職場環境を作ることは必ずしも困難ではありません。注力すべき7つの重要な領域は次のとおりです。

  1. 素晴らしいオンボーディングエクスペリエンスを構築する

    素晴らしいオンボーディングエクスペリエンスを構築する

    「第一印象の記憶は長く残る」という表現を聞いたことがあるでしょうか?それは事実であり、良好な従業員体験は初日から始まります。Hays What Workers Wantの調査では、感じのよくないオフィス環境のために、64%の求人応募者が就業を思いとどまることが示されています。また、態度の悪いスタッフのために、44%の新規就業者が早ければ初日から不快な気分になっています3

    その最初の好印象を形作るには、新入社員のニーズを理解することが不可欠です。職場を仮想的または物理的に案内することに加えて、オフィスの全員に新入社員を紹介し、新入社員の役割を明確に示すことにより、新入社員はくつろいだ気持ちになり、企業文化の一端を垣間見ることができます。

  2. 価値観を保持する

    価値観を保持する

    明確に表された文化または組織的な価値観を持つ企業と全体的な企業パフォーマンスの間には相関関係があります。しかし、多くの組織は、説明は簡単だが、実行は難しいと感じています。

    明確で心を動かす企業の価値観がビジネスのビジョンを形成し、従業員を結び付けます。ただし、これらの価値観を実践し、全員が共通の目標に向かって働いているという実感を従業員が持てるようにする必要があります。

  3. つながりを促進する

    つながりを促進する

    すべてのレベルの従業員がチームの一員であると感じられるチームコラボレーションの文化を生み出すには、すべての従業員が肯定的につながる必要があります。また、実際に会う機会が少ない現在のリモートワークの文化では、つながりを持つことがこれまで以上に重要になっています。

    現実世界またはオンラインでチーム編成の演習を実施することは、同僚を1つにまとめて、感情的な親密さと社会的なつながりを構築し、お互いの尊重と信頼をサポートする環境を作るのに最適な方法です。

  4. 心身の健康を重視する

    心身の健康を重視する

    雇用主が従業員の健康状態を把握し、その認識を示すことが重要です。Workplace from Metaの調査によると、英国では、企業のリーダーがスタッフのニーズに対して共感を示さない場合、社員の48%が離職を考えます4

    ジムの会員割引、柔軟な勤務形態、無料のカウンセリングなどの福利厚生を提供すると、職場でのストレスを軽減したり、全体的な満足感を向上させたりすることに役立ちます。ただし、さらに効果的な方法は、従業員が考えていることをリーダーに気軽に話せる開かれた雰囲気を作ることです。

  5. ダイバーシティとインクルージョンを促進する

    ダイバーシティとインクルージョンを促進する

    貴社は、年齢、民族、文化、宗教、性別を問わずに人を受け入れているでしょうか?多様でインクルーシブなチームは、革新的かつ先進的な組織に力をもたらします。しかし、企業の多様性が低い場合、多様な雇用者のエクスペリエンスと、それらの雇用者が職場環境でどの程度快適に感じているかに直接影響を及ぼします。詳細については、職場の多様性を向上させる方法をご覧ください。

  6. 物理的な職場を整える

    物理的な職場を整える

    適切な物理空間が気分に与える影響は驚くほど大きなものです。従業員に提供する椅子からオフィスの照明に至るまで、あらゆるものが従業員に直接影響を与え、その能力を最大限に発揮できるどうかを左右します。

    ただし、大事なのは仕事だけではありません。快適で生産的な空間を構築することは重要ですが、その一方で、共同作業と休憩のための空間を設計して、従業員がソーシャルなつながりを築き、職場環境で心の健康を管理できるようにすることも不可欠です。

  7. 開かれた雰囲気を作る

    開かれた雰囲気を作る

    リーダーと直接かつ正直にコミュニケーションが取れると感じている従業員は、働いている会社に敬意を払い、職場環境に対して肯定的に感じる可能性がはるかに高くなります。また、私たちの調査によると、従業員は組織自体がオープンになることを望んでいるだけでなく、62%の従業員は、気候、ダイバーシティ、インクルージョンなどの社会的問題に関して透明性を求めています5

    リモート勤務やハイブリッド勤務の組み合わせがますます増える中、メッセージを従業員に伝えると同時に、従業員が全員と効果的にコミュニケーションを取れるようにする必要があります。

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