社員のオンボーディング体験を優れたものにする方法

社員エンゲージメントの向上は、優れたオンボーディングプロセスから始まります。新規採用した社員が初日から溶け込めるようにするオンボーディング体験の作り方を7つ紹介します。

社員エンゲージメント | 所要時間: 8分
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自社のオンボーディングを思い浮かべてください。それは優れたものになっているでしょうか。Gallupによれば、この問いに「イエス」と答えられる企業はわずか12%どまり。つまり、多くの企業には改善の余地があるのです。

新入社員のオンボーディングプロセスに難があると、多方面に影響が出てくる可能性があります。社員がモチベーションを持ちにくくなったり、仕事を適切に行う方法がわからなくなったりした結果、最終的に費用のかさむ離職率の上昇につながるかもしれません。社員の入れ替えコストは、平均で給与の16%~20%に上ります。また、離職の20%は入社後45日以内に発生するというのが通説です。

これは裏を返すと、オンボーディングを適切に行えば組織にとってメリットがあるということです。Forbesによれば、オンボーディング体験が良かったと感じた新入社員の50%は、会社に尽くすようになるとのことです。

社員のオンボーディングとは

社員のオンボーディングとは

オンボーディングとは、新入社員を組織になじませるプロセスのことです。オフィスを一通り案内して書類を記入してもらったら終わり、ではありません。企業文化や既存社員をはじめ、組織のあらゆる事柄を紹介するものであり、米国のSHRMによれば最長で12か月を要するプロセスです。

オンボーディングでは、新入社員に細かいオリエンテーションを行うだけでなく、初日から職場への帰属意識を感じられるようにする素地を作ることもできます。そうすれば、会社での従業員体験の質が向上します。

オンボーディングプランを作る

オンボーディングプランを作る

基本的なことを網羅できるように、オンボーディングプランを作りましょう。例えば、プリボーディングから始まるオンボーディングプロセスでやらなければならないことをすべて盛り込んだチェックリストを作り、完了したらチェックを入れるようにします。

オンボーディングプロセスのステップ

オンボーディングプロセスのステップ

社員エンゲージメントの向上は、優れたオンボーディングプロセスから始まります。プランに含めるべき6つのステップを以下で解説します。

1.プリボーディング

優れたオンボーディング体験は、新入社員が入社するよりも前から始まります。

プリボーディングを行うことで、新しい仕事に向けて社員の気分を高め、正式な入社日まで関心を引き留めることができます。質問や心配事などに答えたり、フレンドリーな企業文化をアピールしたりする絶好のタイミングでもあります。

また、この最初のステップでは、書類に記入してもらい、自分の職務や会社のことについて読んで理解しておけるように重要なドキュメントを送付するようにしてください。

2.ウェルカムパッケージを作る

入社に対していかに感謝しているかを伝えるために、しっかりと時間をかけて準備しましょう。

相手が喜びそうなものをたっぷり詰め込んだウェルカムパッケージを初日に渡しましょう(リモート勤務の場合は自宅住所に送付します)。甘いものや、会社のロゴ入りのウォーターボトルやノートなら間違いありませんが、企業の文化をアピールできる内容のものにしてください。第一印象が大切であることを忘れずに。

3.ほかの社員を巻き込む

オンボーディング体験をポジティブなものにするのは、マネージャだけではできません。バディになってもらったり、オフィスツアーを任せたりするなどして、ほかの社員にも積極的に関わってもらいましょう。オンボーディングプロセスに関わりたいかを尋ね、役割を割り当てましょう。

会社の規模にもよりますが、新入社員は、おそらく入社後にたくさんの顔と名前を覚える必要に迫られます。いずれかの社員に、各社員の役職、名前、簡単な説明付きの、会社の「家系図」を作ってもらうようにしてください(会社のイントラネットや社員ディレクトリにこうしたものがない場合)。

ほかの社員、マネージャ、スーパーバイザー、シニアリーダーに、オンボーディングプロセスとその中での自分の立ち位置を理解してもらうようにしてください。

4.定期的に近況を確認する

オンボーディングプロセスは継続的なプロセスにする必要があります。新入社員に定期的に連絡を取り、「調子はどう?」「質問はない?」などと尋ねてみましょう。自分が多忙な場合は、代わりにチームのほかのメンバーに近況を尋ねさせるようにしてください。

最初は互いに毎日時間を取り、その後は1週間や2週間に1回の頻度で行います。こうした近況伺いは、声を吸い上げる姿勢を示せるほか、仕事関係を強固なものにするのに役立ちます。

5.全社目標を共有し、個人目標を設定する

会社として何を達成しようとしているのかを新入社員によりよく理解してもらえるように、会社としての目標と目的を共有しましょう。全社目標を共有したら、次は具体的な個人目標の設定です。

明確な目標を与え、定期的に生産的なフィードバックをすることで、新入社員は自分が大切にされていると感じ、モチベーションを保つことができます。自分が組織の成功に欠かせない存在であると実感できるのです。

それこそが、個人にとっても企業にとっても、短期的・長期的に充実感を覚えるための鍵です。

6.必要な場合は再度オンボーディングを行う

病気や長期休暇などで会社を長く離れていた社員に対しては、再度オンボーディングを行う時間を設け、新しいプロジェクトや会社の変更点を伝えましょう。そうすることで、社員が意欲を取り戻し、早く以前のように成果を上げられるようになります。

7.一人ひとりに合わせる

新入社員は一人ひとり違うので、オンボーディング体験もそうあるべきです。誰かの焼き直しではなく、刺激的で、何よりも有意義なものにしましょう。そのための簡単なステップとしては、新入社員にメンターを付けて、ほかの社員との関係構築やキャリアアッププランの作成をサポートすることなどが挙げられます。

オンボーディングプランを更新する

オンボーディングプランを更新する

オンボーディングプロセスを定めたら、必要な内容が網羅されるように定期的に更新をする必要があります。プロセスに対する満足度を把握するにはパルスサーベイを行う方法があります。少なくとも3年に一度はプロセスを総点検し、適宜更新して現状に合わせるようにしましょう。

方法に決まりはありませんが、オンボーディングで最も重要なことは、できる限りシンプルに、そして魅力的なものにすることです。第一印象を与えられる機会は二度とやって来ません。

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