組織がリーダーに求める9つの不可欠な資質

企業が求めるべきリーダーの資質とは何でしょうか?要点をまとめたリストをご覧ください。

リーダーシップ | 所要時間: 7分
リーダーの資質の定義

リーダーの資質の定義

ビジネスの成長や収益率のみならず、社員の士気やエンゲージメントにとっても、良いリーダーの存在は不可欠です。35%の人が上司の存在を一番のストレス要因と考えている今こそ1、改善策を考えた方が良さそうです。

そもそも良いリーダーとはどのような人物でしょうか?良いリーダーの資質とは生まれつきの才能なのでしょうか?それとも教育で身につくものなのでしょうか?いわゆる悪いリーダーの資質をもった上司を迎え入れないためにはどうしたらいいのでしょうか?ここで考えてみましょう。

リーダーの資質とは?

リーダーの資質とは?

リーダーに必要な資質とスキルは一部重なっています。カリスマ性や粘り強さなど人間の性格は生まれつきの場合も多いですが、こうした資質を時間をかけて伸ばす人もいます。他人の話をよく聞くことなど、リーダーシップやリーダーの素質をどう行動に移すかは教育で身につきます。真に優れたリーダーは、資質とスキルを兼ね備えていて、常に自己研鑽を心掛けているのです。

リーダーとしてのスキルについて、より詳しくはこちらをお読みください。

良いリーダーの資質

良いリーダーの資質

社会一般、特にビジネスでは、良いリーダーの資質として人々が思い描くものは変化します。昔は意欲的で独断的なリーダーが良しとされていました。今日のリーダーに求められているのは共感力、包括性、自己認識です。また、戦略的で先見性のある考え方は、どんな時代にもリーダーに求められる資質です。

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リーダーとして最も重要な9つの資質

  1. 自己認識

    セルフナレッジは、組織の内外からどう見られているかを理解する上で欠かせません。知識やスキルが欠けていて改善すべき点はどこかを知ることはリーダーにとっても必要です。

    リーダーとして自分の強みや成長領域を把握していますか?自分に最も向いているコミュニケーション方法を把握していますか?あらゆる人にフィードバックを求める習慣をつけましょう。教育の一環としてリーダー向けの研修プログラムに参加しましょう。心理測定または性格検査を受けることも検討に値します。

  2. 共感力

    共感力のあるリーダーの重要性は高まってきています。ポストコロナの今、その傾向は一層顕著です。Facebookの調査では英国の社員の58%が、社員は必要な存在だとリーダーが表明しない場合は辞職を考えると回答しています。職場での社員の満足感や精神衛生と強く結びつきます。調査によれば、91%はリーダーが精神衛生面について隠し立てすべきではないと考えています。2

    問題は強くて完璧なリーダーを育てようとする組織が多いことです。気持ちをさらけ出すのは弱さの表れだという偏見があります。しかし、今日の環境でリーダーに求められているのは、気持ちを表現して共感を示す力です。そして、たとえビジネス上の合理性がなくても、定期的に一貫して行うことがとても大切です。聞き上手で、コミュニケーションスタイルを相手のグループや個人のニーズに合わせるスキルも、共感力あるリーダーには欠かせません。

  3. 透明性

    透明性は、共感力と同様に、ますます大事になってきているリーダーの資質です。透明性とはつまり他人に対して正直であること、約束を守ることです。リーダーが社員から信頼を得て、関係を強化する上で透明性は必要不可欠です。Facebookの調査によれば、社員の62%は気候変動やダイバーシティ、インクルージョンなどの社会問題についてリーダーの透明性を求めています。3

    関係者を説得して、社員が重視する企業統計を公開することが必要になるかもしれません。

  4. 戦略的思考

    「大局観」を持ち先見性に富むコミュニケーターであることは、優れたマネージャから優れたリーダーに成長する上で必要な、核心的な資質です。戦略的なリーダーは斬新で創造的な思考に長けています。リーダーはチームメンバーをマイクロマネジメントするのではなく、詳細なアドバイスを積極的に伝えます。

  5. 誠実さ

    誠実さを求めるミレニアル世代とZ世代で構成される職場では、誠実さはこれまで以上に重要です。正直さと説明責任は信頼を得るための重要な要素であり、間違いを認め訂正することは、ビジネスリーダーにとって重要な資質です。人間関係だけではありません。信頼の厚い企業ほど業績が良いという研究結果もあります。4

    一度失った信頼を取り戻すことは困難ですが、従業員エンゲージメントパルスサーベイに信頼という概念を加えることで、企業は万が一の落ち込みにリアルタイムで対応できるようになります。

  6. 決断力

    委員会に相談することなく重要な決定を下すことができるリーダーは、かけがえのないアセットです。重要なのは、喜んでリスクを取る一方で、結果を吟味せずに手当たり次第にチャンスをうかがうような「無謀な」人間ではないことをチームに示すことです。

    このリーダーの資質は、コロナ禍初期やそれ以降に真価を問われるようになりました。多くの企業が事業転換を迫られましたが、それは決断力のあるリーダーが指揮を執らなければ、迅速に実現することはなかったでしょう。

  7. カリスマ性

    定義の難しいこの資質は、見つけることは簡単ですが、定義することは困難です。イーロン・マスクからジャシンダ・アーダーンまで、最も有名なリーダーの中には、記憶に残るほどのカリスマ性を持った人がいます。彼らは明晰で説得力があり、それが周囲を奮い立たせるのです。カリスマ性を裏付けるテクニックを習得できるかどうかについては、さまざまな議論がありますが、カリスマ性が偽れないものであることは確かです。

  8. 包容力

    企業が倫理をより強く意識するようになる中、包容力が注目を集めています。HBRなどでも話題になっているのは、個々人の違いを受け入れさらには活かすための包容力のあるリーダーの6つの特徴(認識、好奇心、勇気、文化的な知性、コミットメント、コラボレーション)です。

    どのリーダーも心の中では偏見があること、それを発見し排除するには努力が必要であることを理解することから始めましょう。

  9. レジリエンス

    このところ、リーダーシップのレジリエンス(回復力)が試されています。リーダーは、将来の危機に備えるために、定期的に小さな問題でレジリエンスを試すべきです。これは精神衛生や福利にもつながることで、リーダーは自分自身を大切にし、悩んでいるときはその旨を明言する姿を周囲の社員に見てもらう必要があるのです。

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数字で見る、リーダーとして最も重要な9つの資質

悪いリーダーの資質

悪いリーダーの資質

悪いリーダーの資質など存在するのでしょうか?ビジネスのリーダーを選ぶとき、避けるべき資質があることは確かです。

  • 倫理に反する行為

    ビジネスにおいて倫理はかつてないほど重要であり、リーダーは倫理的な行動と態度を示す必要があります。これには「モノ言う人」であること、つまり、他人の非倫理的行為を聞いたり見たりしたときに、それを無視するのではなく行動することが含まれます。

  • 閉鎖的な態度

    好奇心や開放性はリーダーに求められる最も重要な資質の1つであるため、可能性に目をつぶる人は良いリーダーにはなれないでしょう。

  • 傲慢さ

    傲慢なリーダーは、自分が間違っていたり、知らないことがあると、人に相談したり、認めたりすることを嫌がります。また、褒めるべきところを褒めず、士気を下げる傾向があります。自信のあるリーダーは、優秀な人材を脅威と見なすことなく喜んで起用します。

  • 対立の回避

    優れたリーダーの資質とは、対立が激化する前にそれを察知し、迅速かつ公正に対処できることです。これには生まれながらの感情的知性がある程度求められますが、組織として実践的なスキルやヒントを教えることは可能です。

  • 予見可能性の欠如

    予測不可能なリーダーがいると、社員は安心できず、常に最高のパフォーマンスを発揮することができず、リスクも取りにくくなります。

  • ビジョンの欠如

    会社のビジョンを明確にし、それを行動で示すことができることは、リーダーとしての重要な資質です。

  • 利己性

    利己的なリーダーは、自分を第一に考え、社員や組織のことは二の次です。優れたリーダーとは、無私の心を持つ人です。この資質は、自然に身につくとは限らず、育成に長い時間がかかります。

リーダーの資質は教育で身につくもの?

リーダーの資質は教育で身につくもの?

すべてのリーダーの資質を一から学ぶことはできないかもしれませんが、自分がもっている資質を伸ばすことは確実にできます。また、それが難しい場合は、リーダーシップスキルに焦点を当てることで、弱点を補うことができます。また、自分の能力を補い、素晴らしいチームをさらに強化するために、周囲の人材の育成に力を入れることも、リーダーシップの専門家から最も重要なアドバイスとして紹介されています。

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1「悩める労働者たち: Korn Ferryの調査により、職場におけるストレスが5年前よりも高まっていることが判明」Business Wire、2018年
2, 3「共感型リーダーシップの研究 - Vitreous World」(Workplace from Metaによる委託事業)、2021年4月
4「信頼の神経科学」、ハーバード・ビジネス・レビュー誌、2017年
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