未来の働き方

進化しているのは仕事の環境だけではありません。これから先の課題に取り組み、チャンスをつかむため、リーダーシップも変わる必要があります。この記事をその出発点にしてください。

未来の働き方 | 所要時間: 6分
未来のリーダーが行うべきことは何か

未来のリーダーが行うべきことは何か

この数年で、世界的な出来事とテクノロジーの進化が相まって、私たちの生活と働き方を大きく変えてきました。革新的な力の大きな波により、第4次産業革命が起こりつつあります。同時に、パンデミックによって雇用主や従業員、ビジネスリーダーはリーダーのあり方の再評価を強いられることになりました。

テクノロジーは未来の働き方におけるリーダーシップをどう変えるのか

テクノロジーは未来の働き方におけるリーダーシップをどう変えるのか

テクノロジーは、組織を変革する最大の要因のひとつです。AIやオートメーション、ビッグデータ、メタバースによって職場環境は驚異的な規模で変貌しており、そのポテンシャルを最大限に活かせるリーダーが、未来の働き方において最も成功すると思われます。成功を収める強いリーダーとは、次のようなことを行う人です。

  • テクノロジーを活用するビジネスの目的を明確に定義する
  • 常に革新を続ける
  • 新しく開発される技術をオープンに受け入れてデジタルの問題点を受け入れる
  • より広範なリソースを活用して、新しい課題に対処し、オートメーション導入の機会を探し続ける
  • 社員が必要とするテクノロジーとトレーニングを提供する
  • 統合とガバナンスに注目して、従来のシステムやサードパーティ製のシステムとの互換性を確保する
  • 社員との関わりとサポートに努めつつ、システムやプロセスの開発と設計をやり直して効率性と生産性の最大化を図る
  • スキルアップに投資する: テクノロジーが利用できるだけでは、それが便利だとか効果的だとかいうことは保証されない。トレーニングや実験の機会を与えることで、新しいテクノロジーへの投資を支援する必要がある
  • 仮想現実やエクステンデッドリアリティを開発することで、リモートワークやモバイルワークのトレンドに対応する。クラウド技術を活用して機動力と柔軟性のある働き方をサポートする
未来の働き方に必要なリーダーのスキル

未来の働き方に必要なリーダーのスキル

未来の働き方には、リーダーにとってのスキル面の課題も伴います。その最も大きなものは、最大のメリットを得るための新しいテクノロジーの使い方です。また、マネージャーがスタッフをどのように指導し育成するかも、成功のための重要な柱となります。

規律や職務、役割に注目する方法から、個人個人の能力を認識し、より全体的な視点でスタッフがビジネスに対して出せる成果を見る方法に移行する必要があります。成功するリーダーは、重要な領域に注目する必要があります。ここではその領域をいくつかご紹介します。

未来の働き方について

私たちは現在、メタバースで働くことに関するいくつかの重大な問題の答えを出そうと取り組んでいます。こちらでご確認ください。

管理のスタイル

命令と管理に頼るリーダーシップでは、未来の職場で活躍することはできません。リーダーはもっと柔軟になる必要があります。未来志向のリーダーは、人間関係を構築して橋渡しをすることに努めます。旧来のネットワークから飛び出して、チームとサプライヤー、業界パートナー、市場の間のより広範で長期的なパートナーシップを目指します。

テクノロジーと働き方の進化に伴って、リーダーの側も、見慣れないリソースや新しいリソースの長所を喜んで受け入れ、曖昧さや柔軟性を受容できるようになる必要があります。

仕事をベースとする訓練方法も変わっていきます。規律を基本とするスキル(戦略開発や財務分析)から、コミュニケーションと解釈の能力(常にリスクを分析して解決策を見つける)へと今後は移行していくでしょう。

文化の変化

企業文化における最大の変化は、「トップダウン」方式のリーダーシップから、すべてのレベルでリーダーを設ける環境への移行、すなわちチームのメンバーに権限を与えて、全員に前向きな課題と適切な説明責任を与える環境への移行です。

絶え間ない変化はスタートアップ企業や過渡期の企業によく見られるものですが、今では多くの企業でそれが当たり前になっています。社員はもっと仕事への意欲を持ちたいと考えています。そのような期待に沿うためには、企業がITプロセスや人事プロセスなどのポリシー、体制および働き方を考え直す必要があります。

明確さと率直さ

従業員体験へとフォーカスが移っていくのに伴って、明確さを求める気運の高まりに気づき、経営判断の背景となる事情を率直に説明することが、ビジネスリーダーに求められるようになっています。社員が常時職場にいるわけではないハイブリッド勤務の世界では、リーダーは明確な目的を示し、できないことを約束することを避け、信頼を築くためにあらゆるレベルの社員から貢献やアイデアを募って奨励する必要があります。

スキルの構築

テクノロジーと変化する働き方には、それに沿った新しいスキルが必要となります。そこには2つの形があります。ひとつは社員が現在の役割の中ですでに身に着けてきた能力を強化するスキルアップ、もうひとつは社員が新しい役割につくために新しいスキルを学ぶスキルの再習得です。

スキルアップは特に、テクノロジーの発達がそれまでの障害を壊し、より機動的で革新的な働き方を支えるようになったときに適しています。スタッフのスキルアップに投資することで、スタッフがワークライフバランスの向上のために退職したり、能力をさらに伸ばせる仕事へ転職したりすることも防げます。さらに、雇用主が自社のチームに対し、職場での学習や事業への関与、活躍の広範な機会を提示することも可能になります。

スキルの再習得は、オートメーションによって反復的な作業や予測可能な作業を人間が行う必要がなくなった場合や、テクノロジーによって従来の働き方が変化しつつある場合に、より不可欠になります。新たに判明したスキルのギャップに組織が迅速に対応することで、役割のさらなる混乱に備え、その後ギャップがさらに広がるのを防ぐことができます。

成功するリーダーは、自発的にスキルアップやスキルの再習得に投資して、自社のチームの価値を認識し、貴重な人材の損失を防止します。同時に、ワークフローやタスクを再評価して、階層的な役割や肩書ではなく能力を中心としたタスク構造にする必要があります。

管理する上での共感

社員中心の労働環境では、企業は勤務のプロセスや慣習だけに注目していてはいけません。職場環境の急速な変化に、チームのメンバーが不安を抱いている可能性があります。ハイブリッド勤務や新しい働き方に適応したり、新しい技術を学習したりするための時間が必要な人もいるかもしれません。同時に、情報量が多すぎることで燃え尽きにつながることもあります。これらの理由により、今後は職場における健康と福祉がビジネス戦略の中心的な存在になっていきます。

パンデミックの長期的な影響のひとつは、社員が給料よりもワークライフバランスや会社の価値の方を重視するようになったことです。Gartnerの調査によれば、アンケート回答者の65 %が、パンデミックにより、生活の中での仕事の順位についてより深く考えるようになったと答えています。そして56 %の人は、それによって社会にもっと貢献したくなったと回答しています。

そのため、目的のある仕事を探し、自社の原則をよく表している会社を探す人が増えています。リーダーはそのような動機を理解し、会社の能力や機会を高め、自社の社員の価値や固有のニーズや状況への関心を示す必要があります。

成長マインドセットの採用

成長マインドセットを持っている人は、自分の才能は育てられる、知能は経験を通じて築けると信じています。未来の働き方において成長するリーダーも、そういう人です。成長マインドセットは、最適解はイノベーションと実験から得られるものという考えを後押しします。

それによってリーダーが社員の強みにフォーカスしつつ、新しい能力の育成を促すことができるのです。そうして、スタッフが新しいアイデアや未知のアイデアを試したり、試行錯誤しながら前に進んだりすることが可能な職場環境ができていきます。

ハイブリッド勤務への適応

仕事をする人も、仕事の内容も、場所も、時間も、変化しつつあります。パンデミック中に応急的に導入されたリモート勤務は、多くの企業が働き方を根底から作り直すチャンスへと進化しました。

ハイブリッドな職場では時間や場所の柔軟性が実現しますが、一方では社内と社外のコミュニケーションや信頼関係の構築、ワークフロー、報告といった新しいソリューションが幅広く要求されます。ハイブリッドワークを成功させたいと考えるリーダーが注力すべきなのは、社員の声をしっかり聞くこと、社員が本当に求めているものを理解すること、そして会社の未来設計の中に社員を含めることです。

未来へのビジョンの伝達

未来へのビジョンの伝達

会社の目的は社員にとっても重要です。Bain & Companyの研究によれば、ビジョンが明確に定まっている企業は、ビジョンのない企業よりも高い実績を上げます。1しかし、企業がそのミッションとビジョンを構築する方法が変わりつつあります。

以前は、ビジョンを確立し、それを組織のヒエラルキーを通じて伝達する責任はビジネスリーダーが負っていました。未来の職場では、スタッフが他の人と協力して自分のビジョンを構築し、それをチームや個人のレベルで共有します。

先見性のあるリーダーなら、次のような行動を取るでしょう。

  • 共同作業というアプローチを通じてビジネスの未来を形作り、そこに関わる一人ひとりがビジネスの成功と個人の成長の間のつながりを実感できるようにする。
  • チームのメンバー全員にしっかり情報を伝え、ビジョンに集中させる
  • すべてのチームや社員に、彼らの貢献が組織の成功にどう影響するかを明確に伝える
  • チームへのメリットを具体的に挙げてビジョンを提示する
  • 目標の達成に必要なツールやプロセスを定義する
  • 目標までの明確なロードマップを作成して進捗のスケジュールを決める
  • 他の社員に組織内での指揮権限を与える
  • 恒常的かつ明確にビジョンの発展と調整に全社を挙げて取り組み、それを発信する

すべての階層の社員に権限を与える包括的なアプローチは、未来の働き方の大きな特徴です。

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1 "Mission and Vision Statements" Bain & Company (2018年)
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