職場での社内コミュニケーションを改善する14の方法
社員のエンゲージメント獲得には、置いてきぼりにしないことが非常に重要です。職場でのコミュニケーションを強化する方法をいくつか紹介します。
職場における効果的なコミュニケーションはなぜそれほど重要なのか
効果的な社内コミュニケーション戦略を定めることが、これほど重要なことがあったでしょうか。リモートやハイブリッドでの働き方が広がり、社員の健康に対する意識が高まり、高い倫理水準と目的を持って働くことへのコミットメントが強まるなかで、全社員といつでも連絡を取れるようにしておくことが欠かせなくなっています。社内にコミュニケーションチームがいれば、社員のエンゲージメントが向上し、離職率が下がり、CEOの発言が信頼されやすくなります。
効果的な社内コミュニケーション戦略には次のようなメリットがあります。
目的意識とコミュニティが育まれる
重要なメッセージや情報を全社員に伝えることは、組織への帰属意識を育てるのに効果的です。社内コミュニケーションは、社内外でのブランドメッセージに一貫性を持たせるのにも役立ち、それによって組織のアイデンティティ形成につながります。
生産性が向上する
効率のよいコミュニケーションは、パフォーマンスと生産性を高めるのに役立ちます。例えば、デジタルコラボレーションテクノロジーによって生産性が20~30%向上するという推定もあります。生産性は、目標値や進捗状況、最新の業績情報を伝達することによっても後押しできます。
メッセージをコントロールできる
社内コミュニケーション戦略があれば、メッセージの発信を組織のコントロール下に置けます。この目的はコントロールそれ自体ではなく、むしろ、誤解が生じるのを避け、有害なゴシップやうわさを抑制することにあります。社員が重要なニュースを社外からの情報で初めて耳にする、というリスクを減らすことにもなります。
ハイブリッドワーカーとリモートワーカーとの一体感が生まれる
効果的な社内コミュニケーションによって、リモートワーカーやハイブリッドワーカーとの重要なつながりを維持できます。ただ、コミュニケーションを仕事のことだけに限定してしまうのはもったいないです。対人的な交流やインフォーマルなコミュニケーションもできるようにしておくと、全員が企業文化との関わりを保てます。
社員の期待に応えるのに役立つ
人は、ますますつながった暮らしを送っています。そして、仕事においても、絶えず情報が流れ、共有、フィードバック、相互のやり取りができる環境を求めています。関わりを持つ機会があれば、社員は「自分を見てくれている」「聞いてくれている」と感じられるようにもなり、その結果、エンゲージメントと定着率が向上します。
透明性が向上する
リーダーとマネージャが本音でコミュニケーションを取れば、社内コミュニケーションによって組織内に信頼が築かれます。
社員がメッセージの発信に貢献できるようになる
社内コミュニケーションで多様な声を反映するようにすれば、視野を広げるとともに、柔軟に聞く姿勢を示すことができます。
社員が広く社内のことを知れるようになる
効果的な社内コミュニケーションはサイロ化を解消します。また、社員が社内各所で提供されているトレーニングやキャリアアップの機会に気づけるようになります。
Workplaceで業務を簡素化
オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。
職場でのコミュニケーションの質が低いと、どんなリスクがあるのか
質の低いコミュニケーションは、効率と生産性に打撃を与え、社員のエンゲージメントと士気にも悪影響を及ぼします。The Economist誌の調査では、コミュニケーションの障壁によってプロジェクトが遅延した、あるいは完遂できなかったと回答した人が、回答者の44%に上っていました。また、士気が下がったと答えた人も31%いました。
社内コミュニケーションの体制が悪かったり破綻していたりすると、誤った情報の流布、非公式のネットワークや派閥の形成、うわさの拡散といったリスクが生じます。こうなると「組織のサポートがない」「孤立している」と社員が感じ、ともすると不正確な情報や誤認に基づいて行動してしまうかもしれません。また、必要なときに重要な情報を伝達するという重要な機会を逃すことにもなり、危機のときには特に損失を被りやすくなります。
こうしたリスクがあるにもかかわらず、International Association of Business Communicatorsの調査に回答したビジネスのうち、コミュニケーション部門があると回答したビジネスは3分の1にすぎません。その中で業務時間の半分以上を社内コミュニケーションにあてているとしたビジネスは、わずか39%に留まっていました。
職場におけるコミュニケーションの手段とその使いどころ
組織から社員への連絡、あるいは社員間でのコミュニケーションに使えるチャネルとツールは増え続けています。効果的な戦略を立てるには、伝達内容や受け手に合わせてそれぞれの手段を使い分け、多様なチャネルを最大限に活かしましょう。
Institute of Internal Communication (IIC)によれば、社内コミュニケーションには依然としてメールが最もよく使われています。しかしその一方で、英国の被雇用者のほぼ4人に3人は、雇用主からのアップデートを読んだり見たりする時間が1日15分に満たないそうです。
簡単なメッセージやアップデートの伝達、社員間の連絡には、インスタントメッセージや専用のソーシャルメディアチャネルのほうが効果的かもしれません。
オンラインでもオフラインでも、顔と顔を合わせてコミュニケーションを取ることが依然として非常に重要であることは言うまでもありません。効果的な社内コミュニケーションを確立、維持するには、定期的なミーティングと、誰もが意見を言える場を持つことが鍵になります。ただ、社内コミュニケーション戦略はテクノロジーによっても進化しています。
動画はマーケティングチャネルとして非常に人気がありますが、社外に限らず社内でも、同じく高い効果を発揮する可能性があります。社員はすでに商品の情報収集や娯楽目的で動画を使っているので、動画は社内向けのメッセージをもっと効果的に伝えるための優れた手段となります。
他方、ARやVRも、拠点があちこちに分散している大規模な企業で社員を集めてバーチャルな全社会議やトレーニングセッションを開くうえでの役割が大きくなっています。
ゲーミフィケーションもツールとして急速に重要になりつつあり、コーポレートメッセージの確立や、社員のエンゲージメント、採用、定着率の改善に使われています。
職場のコミュニケーション改善に役立つ14のアドバイス
ICCによれば、被雇用者は、組織の戦略やチームの優先事項、パフォーマンスについて聞きたいと考えています。しかし、コミュニケーションについて自信がないというマネージャが多いのも事実です。以下に、社内コミュニケーションを改善するためのアドバイスをいくつか紹介します。
簡単に使えるツールを選ぶ。イントラネットやコミュニケーションツールは、直感的に使えて、モバイルに対応しており、使って楽しいものである必要があります。
定期的にコミュニケーションを取る。社員は業務にコミュニケーションを組み込むので、一貫性が非常に重要です。チェックインの日時を設定し、プッシュ通知を使って最新情報のチェックやミーティングの出席をリマインドしましょう。特にリモートで働いている社員が多い場合には、チーム全員が参加する定期セッションを1回以上設けるようにします。
コミュニケーションを簡潔にする。メールは「無駄に時間がかかる」「数が多すぎて見きれない」という見方が増えているので、簡潔にすることが非常に重要です。受け手に関係のある簡潔な内容にし、適宜チャットを使うようにします。
社風に適したものにする。社内チャネルを使うときの基本的なルールを定めましょう。組織の価値観や社員の期待に添ったメッセージにしてください。
リモートやハイブリッドで働く人を巻き込み、距離を縮める。必要なコミュニケーションツールとテクノロジーを全員が利用できるようにします。
社員にコンテンツを作ってもらう。さまざまな人にコンテンツを投稿してもらうようにスケジュールを組むと、飽きの来ないコンテンツで社員のエンゲージメントを高めることができます。ブログ記事、投稿、短尺動画、一社員としての意見などを発信してもらいましょう。
受け手が興味を抱く内容にする。チーム内でのトレンドや興味・関心に合わせてコミュニケーションの内容をアレンジしましょう。
双方向のやり取りが最大限に生まれるようにする。メッセージに対する反応を促し、提案、共有、フィードバックができる余地を作りましょう。
自分個人のコミュニケーションを見直す。模範になれるように、自らコンテンツを投稿し、社員の投稿に返信し、本音でコミュニケーションするようにしましょう。
コンテンツにバリエーションを出す。ディベートやインフォグラフィック、短尺動画、インタビューなどを盛り込んで、会社としてのトップダウンの通知に面白みを出しましょう。
言葉遣いに気を付ける。口頭なら笑える内容でも、ショートメールや投稿にすると、ぶしつけに聞こえたり批判的に聞こえたりすることがあります。絵文字を賢く使うと効果的です。
投稿者以外の人に気を配る。投稿しなくても何も問題はないことを伝え、誰もが劣等感を感じずに自由に参加できるようにしましょう。
成果を称え、成果に報いる。社内コミュニケーションチャネルを使って、社員の実績、記念日、成功を公の場で称えましょう。
測定する。社内コミュニケーションチャネルからは価値ある情報を得られます。アンケート、回答必須の質問、投票、相互のやり取りなどの測定ツールを取り入れましょう。情報の使い道は隠さず伝えてください。そうすることで、価値ある情報を集め、社員に「聞いてもらえている」と感じてもらえます。