メタバースという言葉自体はテクノロジー界隈で何年も前からささやかれていました。そのテクノロジーが今、現実になろうとしています。

中に入ることができる次世代のインターネットが、ゲームやエンターテイメント、さらには人との交流にどのような変化をもたらすのかについては、多く議論されてきました。しかしメタバースは、仕事の世界にも大きな変化をもたらします。

仮想現実(VR)テクノロジーが発展すれば、バーチャル空間の没入感や利便性が高まります。そして新しい拡張現実(AR)テクノロジーとホログラムテクノロジーが登場すれば、デジタルとリアルが継ぎ目なく融合された環境が生まれます。こうしたテクノロジーを導入する組織が増えるにつれて、その恩恵は業界を問わず世界中で働く人々に行き渡るようになるでしょう。

チーム内連携から、学習や開発、企業文化に至るまで、メタバースは未来の働き方やビジネスに5つの変革をもたらします。以下で1つずつ見ていきましょう。

Workplaceを使って業務を簡素化

オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。

1. 共有スペースにテレポートする

1. 共有スペースにテレポートする

中に入ることができるインターネットがもたらす大きなメリットの1つ目は、単純明快に同じ空間に集まれるようになることです。自分がどこにいようと、同僚やクライアントと同じ部屋に集まって顔を合わせられるようになるのです。

これによって、ミーティングやチーム内連携は根本から変わります。

この18か月間、私たちはリモートでのミーティングや連携の限界を思い知らされてきました。画面上のウィンドウを介してミーティングをすると、疲労が体にこたえます。スタンフォード大学のVirtual Human Interaction Labが最近公開したビデオ通話の疲労に関する初の査読付き論文では、移動が減ることとボディランゲージなどの非言語的手がかりに頼れなくなることの両方が、疲労の主な要因であることが明らかになりました。

メタバースではそのすべてが変わります。自分自身のバーチャルな表現である非常にリアルな3Dアバターを作って、そこに身振り手振りをそのまま反映できるようになり、VRやARの環境にもそのアバターで入れるようになります。

これによってリモートのミーティングはどう変わるのか。同僚と本当に同じ部屋にいるかのような感覚を得られるようになり、コミュニケーションの質の向上、信頼の醸成、本物の関係の構築といった、直接対面することによるメリットをすべて享受できるようになります。また、経営幹部とフロントラインワーカーを同じ場所に集めて、画面越しでは到底築くことのできないようなつながりを築けるようにもなります。

1つのバーチャル空間に集まれるようになれば、コラボレーションやクリエイティビティに関しても計り知れないメリットを得られます。

たしかに画面上のインターネットでも、ドキュメントを共有してリアルタイムに共同制作をすることはできます。誰もが当たり前のようにやっていることです。では、インターネットが具現化されるとどうなるかと言えば、今よりもはるかに幅広い種類のバーチャルオブジェクトを共有して共同作業できるようになります。自動車エンジニアが新しいブレーキシステムの3Dモデルを共有したり、ファッションデザイナーが新シーズンのコレクションの実物大のバーチャル表現を使って作業をしたりする姿を想像してみてください。

共有できるバーチャルオブジェクトの種類が増えることは、ページの上ではないところで最も重要な作業が発生するさまざまなチームに革命的な変化をもたらします。

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どこで働いていても共有スペースにテレポートできる

2. 自分のスペースを持ち運ぶ

2. 自分のスペースを持ち運ぶ

2020年に初めてロックダウンが実施されたとき、世界中で多くの人が作業場を自宅に移して仕事を続けることができました。そして、リモートワークとハイブリッドワークという働き方が定着しました。

しかし、1つ問題があります。ハイブリッドワークやリモートワークをする場合、多くのナレッジワーカーは、自宅、オフィス、カフェ、ミーティングの場所を絶えず行き来します。柔軟に動けるのは素晴らしいことですが、作業場が1つに定まらないと、デスクも、デスクトップ環境さえも、1つとして自分のものと呼べるものがなくなってしまいます。最適な環境を作っては片付け、作っては片付け…を延々と繰り返すはめになります。

メタバースには、この問題を解決する強力な手段があります。

VRとARのテクノロジーにより、理想のデスクトップ環境をどこへでも持ち運べるようになるのです。自分が一番しっくりくるように並べた何枚ものバーチャル画面をいつでも再現できるようになりまです。さらには、バーチャルなキーボードを必要に応じて呼び出したり、アラートやお知らせのオンとオフを切り替えたり。デザイナー、アーティスト、コーダーなど、複数の画面と複雑なツールダッシュボードを使って仕事をする多くの人にとって、このメリットは絶大です。

これは、いわば一種のInfinite Officeです。Oculus Quest 2などが提供する完全没入型のVR環境では、すでにこれを実現できます。ゆくゆくは、普通の眼鏡と大きさや重さがそれほど変わらない新世代のAR眼鏡を掛けるだけで、デジタルのキーボードや画面などを現実世界に呼び出し、周囲の空間にレイヤーとして投影できるようになるでしょう。

キッチンテーブルで仕事していて周りがうるさくなってきたら、公園にバーチャルデスクを持っていけばいいのです。どこへいっても、同じ作業スペースを再現できます。

Infinite Officeについて、詳しくはこちらの投稿をお読みください。

3. メタバースメンターから学ぶ

3. メタバースメンターから学ぶ

メタバースによって、仕事における学習とスキル開発に革命が起きます。

皆さんご存知のとおり、私たちの学びの形はインターネットによってすでに大きく変わりました。では、メタバースによって何が変わるのでしょうか。あらゆる分野の指導の場を2次元的な画面の中からVRやARの空間へと移せるようになると、指導者は単に言葉で伝えるだけでなく、実際にやって見せることが可能になります。

例えば、世界中の外科の研修医が、第一線で活躍する心臓外科医の技を間近で観察できるようになるでしょう。建築家は、AR眼鏡越しにデスクの上に浮く3Dモデルを見ながら、何千キロも離れた場所にいる講師から重要な設計理念を聞くことができるようになります。

カスタマーサービスの担当者は、VRに集まってさまざまな接客シーンのロールプレイをして、ボディランゲージなどの仕草について詳しいフィードバックをもらえるようになります。

誰もがわかっていることですが、学んだことが一番身に付くのは、たいてい、人の話を聞くだけでなく自分でやってみたときです。今日の複雑な世界では、学校を出たらそこで学びが終わってしまうこともあります。しかし、学びは生涯にわたって続けなければなりません。メタバースによって世界中のあらゆる業種の労働者は、その分野の第一人者の技術を観察し、間近で教わる機会を得られるようになります。メタバースで学ぶ時代は必ずやってきます。

4. 必要なスペースを手に入れる

4. 必要なスペースを手に入れる

音楽を聴いて頭を仕事モードにしてからタスクに取り掛かる人も多いのではないでしょうか。メタバースなら、流す音楽だけでなく、作業場を囲む環境を今よりもはるかに自在に作れるようになります。

個々のタスクに最適なVR空間やAR空間を新たに作り、その中に身を置くことができるようになります。集中してクリエイティブな作業に没頭したいときは、それに適したVRルームを選べます。チームとブレインストーミングをして創造力を引き出したいなら、割り当てられた平凡な会議室にARを使ってダイナミックなデジタルオブジェクトを飾りましょう。

物理的な環境は変幻自在ではないという考えが私たちの頭には染み付いているので、それをおかしいと思うことはまずありません。しかし、メタバースはそうした限界とは無縁です。

クリエイティブツールを使って、自分のニーズや好みに合わせて周囲の空間を作ったり、改良したりできるようになります。その時間がない場合は、自分が求めている空間を他のクリエイターたちが競って作ってくれるでしょう。それぞれのタスクのタイプに合わせて空間の大きさ、色、音楽などを最適化する方法を学んでいけば、そうした空間の効果がますます高まっていくはずです。

“メタバースによって労働者は、その分野の第一人者の技術を観察し、間近で教わる機会を得られるようになります。”

5. 意思決定者に会う

5. 意思決定者に会う

現在は、場所に序列がある環境で働いている方がほとんどでしょう。

グローバル本部、最上階のフロア、役員会議室といったエリートのための空間があり、サテライトオフィス、工場の作業場、フルフィルメントセンターなどのフロントラインがあるのが現状です。残念なことですが、こうした区分けがあることで、とりわけ大企業では経営幹部とフロントラインワーカーとが隔絶されることが多くなっています。

しかしメタバースでは、これまでとは打って変わって、空間や物理的な存在に序列がなくなります。これは実務面に革命をもたらすだけでなく、組織文化を根本から変えることにもなるかもしれません。

史上初めて、誰もが平等にアクセスできる空間を作れるようになるのです。世界中のあちこちに社員が散らばっている組織であってもです。これにより、誰もが経営幹部と同じ部屋に集まれるようになります。メタバースでは、フロントラインワーカーが終業後にCEOと飲み交わすことも不可能ではありません。

2020年代に入り、従来の組織文化が変化し始めています。経営幹部たちは、社員間の古い障壁を取り払い、多様な声に耳を傾ける必要性をかつてないほどに意識するようになっています。この変化の中では、メタバース的な共有スペースと、それによって新しい方法で人びとを呼び集められるようになることが、大きな意味を持つことになるでしょう。

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