アジャイルワーキングとは?
アジャイルなアプローチ自体は、会話や協業を促す手法として1970年代から使われています。それが今、リモートやハイブリッドでの働き方に特に適した手法であることが分かってきました。
アジャイルワーキングとは?
スピーディーで即応性が高く、効率的で部署横断的。これらはすべて、アジャイルな職場環境の特徴です。アジャイルワーキングでは、業務遂行の妨げとなるものを可能な限り排除しながら、柔軟性と可視性の最大化を目指します。それを、プロセス、人、テクノロジーを組み合わせ実現します。
昨今では、生産的で人気の高いプロジェクト管理手法としてアジャイルワーキングがますます広まっています。digital.aiの調べでは、2022年にはアジャイルの採用率がソフトウェア開発チームで37%から86%に上昇し、IT以外のチームでも倍増したことが分かっています。
アジャイルワーキングを実践すれば、人も会社も迅速に方針を変え、新たなニーズに応え、ほとんど前触れがなくても適切に対応することができます。要するに、従来の階層にとらわれず、プロセスを合理化して部門横断的な協働を実現する働き方なのです。
この働き方は、社員の働く場所が分散していて各自がさまざまな役割を兼務している、ハイブリッドまたはリモートの企業に特に有益です。
Workplaceで業務を簡素化
オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。
アジャイルな働き方
アジャイルの手法は1つだけではありません。アジャイルな働き方にはさまざまなものがあり、それぞれに一長一短があります。
アイビーリーメソッド
アイビーリーメソッドは、一部のアジャイル手法の基礎になっているタイムマネジメント法です。次のように5段階で優先順位付けをする戦略を取ります。
ステップ1 – 翌日または当日中に終える必要がある重要なタスクを6つ挙げる
ステップ2 – 重要度順にタスクに番号を振る
ステップ3 - リストの一番最初のタスクから取りかかる。そのタスクを完全に終えるまで続ける
ステップ4 – タスクを終えるごとに完了のマークを付ける
ステップ5 – 次の日も同じプロセスを繰り返す
時間に優先順位を付けるのに効果的な手法で、これによって生産性が上がりますが、予定外のタスクやプランの変更は想定していません。
スクラム
作業を「スプリント」(具体的な小目標に割り当てた短い時間枠)に分割するアジャイル手法です。各スプリントがプロジェクトの最終成果物に貢献するようにします。
計画を立てる
発展させる
導入
評価
チームはスプリントの期限に向けて協働し、関係者同士が協力して特定のタスクに取り組みます。各スプリントが効率的かつ効果的に機能することで、プロジェクト全体を予定通りに、高水準で完了できる可能性が高くなります。各スプリントで学んだことを評価して次のスプリントに活かすので、途中で生まれる課題に合わせてプロジェクトを進化させていくことができます。
ただし、規模の大きなプロジェクトには向かず、小規模なチームにしか適しません。
かんばん
もともとは製造業で生まれた、非常に視覚的なアジャイル手法です。かんばんにタスクを表すカードを貼り付け、タスクの段階が進んだらカードを次の列に移動、また進んだら次の列に移動…というようにカードを動かしていきます。
かんばんの大きなメリットの1つは、プロジェクトの各タスクの状況をリアルタイムに一覧できることです。チームメンバーの作業の進捗も分かるので、ハイブリッドチームやリモートチームで特に効果を発揮します。
ただし、かんばんにタスクを詰め込みすぎるとかえって分かりにくくなるのが欠点です。また、カードを動かさないとほかのタスクを進めることができない点もマイナスです。
スクラムばん
名前のとおり、スクラムとかんばんを組み合わせた手法です。
短いワークフローに対してかんばんを使用し、プロジェクトマネージャから仕事を割り当てられるのを待つのではなく、各自がやりたい仕事をかんばんから選びます。かんばんに同時に貼っておけるタスクの数に上限を設けるため、かんばんがタスクで一杯になることはありません。
従来のかんばんよりも柔軟ですが、今誰が何をやっているのかを追いにくく、その結果、プランニングが難しくなります。
アジャイルな職場環境を作る
アジャイルな職場環境を作るためのベストプラクティスを以下にいくつか紹介します。
明確な目標を設定する
明確な目標と期待値を設定し、それらをチームで共有することで、プロジェクト管理の透明性を確保します。こうすると、全体像が全員に見えるようになり、進捗の追跡が簡単になります。
効果的なオンボーディングを行う
プロジェクトのキックオフの前に、シャドーイングやメンタリングを通して新しいチームメンバーにアジャイルプロセスを体感してもらい、適切な期待値を設定します。
チームに自主性を持たせる
チームに明確な責任を与え、メンバーが自ら状況を整理し管理する権限を与えることで、より柔軟に目標を達成し、課題を克服できます。
ツールとトレーニングを提供する
アジャイルの価値は人次第なので、チームメンバーがアジャイルな働き方を理解している必要があります。アジャイルな働き方のトレーニングを行う時間を設け、その手法のしくみと自らに期待されることをメンバーが理解できるようにしましょう。
コラボレーションに注力する
アジャイル手法の各イテレーションでは、事前の計画に固執するのではなく、何かを実行することに力を注ぎます。つまり、チームのコラボレーションとコミュニケーションに、より集中する必要があります。
それには毎日のスタンドアップミーティングや「スクラム」が効果的かもしれません。スプリントの計画、レビュー、評価のミーティングではプロジェクトの具体的な側面を扱い、サブグループは個々のタスクに焦点を当てます。また、重要なステークホルダーと定期的に協議し、プロジェクトがビジネス上の優先事項に対応できているかを確認します。この小さなグループと大きなグループでうまく連携し、懸念事項や不安材料に対応するようにします。
適切なコラボレーションツールを使用する
コラボレーションツールは、チームの共同作業を可能にする上で非常に重要です。例えば、次のようなものです。
作業をトラッキングし、プロジェクトの全体像の一部としてサブタスクの詳細を提供するコラボレーション用ダッシュボード
オフィス勤務者と世界中のデスクを持たない社員を含めて、チームメンバー同士をつなぐコミュニケーションツール(ハイブリッドワークではこれがさらに重要になります。また、国境を越えて働く際の障壁が減ります)
チームメンバー全員が必要なドキュメントにアクセスできるファイル共有ツール
すべてのソフトウェアとアプリを連携することで、ソフトウェアとアプリの間を行ったり来たりする無駄な時間をなくすツール
リアルタイムの進捗トラッキングにより、プロジェクトマネージャがより効果的に計画を立て、チームをスケジュールどおりに動かすことができる進捗モニタリングツール
変化を受け入れ、進化する
アジャイルの最も大きな利点の一つは、柔軟性と適応性です。チームは、各スプリントでの学びを活かしながらプロジェクト全体を通して解決策を発展させ、次のプロジェクトにも活かすことができます。
アジャイルな働き方の基本的な考え方
アジャイルな働き方は、単なる方法論ではなく考え方です。業務のあり方であり、進め方です。それは、人を大切にし、費やした時間や個々のインプットではなく、パフォーマンスや結果で成功を計るということです。
アジャイルワーキングは、ソフトウェア開発から始まったものですが、IT分野だけのものではありません。
世界中の業界で通用する、よりスマートなプロジェクトマネジメント手法なのです。リモートワークやハイブリッドワークの時代において、アジャイルなコラボレーションは、人やチームが経済的課題や消費者に関する課題に適応する上で役立ちます。今後数か月、数年の間にビジネスの成功に不可欠となるソリューションです。
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