職場におけるイノベーション
成功する組織は立ち止まることはありません。イノベーションの文化を築くことで、常に時代の先端を走り、生産性とパフォーマンスを高めることができます。
職場イノベーションとは?
職場におけるイノベーションとは、新しいアイデアを生み出し、育て、実行することです。イノベーションには、企業の製品やサービスに関するものも含まれますが、ビジネス戦略やプロセス、メソッドにおいても同様に重要です。イノベーションの種類には、テクノロジー、ビジネスモデル、人事、マーケティングに加え、顧客と直接やり取りする活動も含まれます。
多くの企業が顧客や従業員の期待に応えることに注力する中、イノベーションが真の成功の鍵であることは間違いありません。イノベーションを起こせないビジネスは、いずれ行き詰まるでしょう。しかし、だからといって、経営陣や従業員たちを刷新する劇的な変化を定期的に起こさなければならないわけではありません。イノベーションは、大胆で広範囲に及ぶものもあれば、終始継続して開発を進めるための小さな段階的変化の積み重ねを指すこともあります。
Workplaceで業務を簡素化
オフィス勤務再開の周知からハイブリッドワークの導入まで、Workplaceは業務を簡素化します。
職場イノベーションは、大きく分けて2つのカテゴリーに分けられます。
外部イノベーション - マーケティング戦略、企業文化、ブランド、製品・サービス開発の変更を含みます。
内部イノベーション - 職務、チーム、マネジメントの構造や階層、メンタリングやコーチング戦略、従業員主導の取り組みなど、組織の働き方を変えることを意味します。
社内では、職場イノベーションは企業文化全体に浸透しているときに最も効果を発揮します。このような職場では、あらゆるレベルの従業員が貢献したり、ブレインストーミングを行ったり、新しいアイデアや働き方を開発したりと、イノベーションに参画することが奨励されます。
なぜ職場におけるイノベーションが重要なのか?
イノベーションは、経済成長と生産性の向上に不可欠であり、採用活動の質や従業員満足度を高めるものであることが明らかになっています。英国政府の調査によると、イノベーションを実施する企業は、そうでない企業の約2倍の成長率を示しています。また、イノベーションを取り入れることで、生産性、従業員の心身の健康、エンゲージメント、幸福度を20%~60%向上させることができます。
イノベーション主導の職場文化がもたらす最も大きなメリットは、従業員自身に関するものです。Forbesの最近の調査では、従業員エンゲージメントがイノベーションと正の相関関係にあることが示されています。熱心な従業員は、より柔軟で、仕事と感情的に結びついており、やりがいのある仕事を求め、イノベーションを起こすことに前向きです。革新的な考え方をすることで、成功と失敗の両方から学び、成長する機会が生まれます。Deloitteの調査によると、優れた学習文化をもつ組織は、斬新な製品やプロセスを開発する可能性が92%高く、生産性も52%高いことが分かっています。
職場におけるイノベーションの例
職場で創造性を発揮する方法は一つではありません。イノベーションにはさまざまな形があります。
持続的・段階的イノベーション: このタイプのイノベーションは継続的に行われます。劇的な変化はないかもしれませんが、従業員全体を巻き込んだイノベーション主導の文化の基盤となるものです。このイノベーションを通じて、すべての部門や個人が当たり前のように革新的な思考プロセスに参画して、自分のアイデアを提供し、実験し、開発する機会を見つけるようになります。
ブレイクスルーや突発的なイノベーションは、単発のイニシアティブやブレインストーミング、または職場で発生する問題や課題を解決しようとする中で意図的に生み出されることがあります。また、顧客の要望や新しいビジネスチャンス、より広い市場の変化などがきっかけとなってイノベーションが実現する場合もあります。
破壊的イノベーションは、予期せぬ事態により即座に行動を起こすことを迫られた場合に起こりえます。もしくは、必要に迫られずとも新しいことに挑戦する、オープンで前向きな企業において起こることもあります。このようなイノベーションは、特に成功につながった場合、幸福な偶然、つまりまぐれだとみなされることが多いですが、実際には、戦略的な枠組みと自信が必要であり、迅速に適応できる体制を整えた企業がその恩恵を最大限に受けることができるのです。
イノベーションは、他のさまざまな要因によっても引き起こされます。例えば、テクノロジーへの投資や技術の進歩、意図的または偶発的な社内コラボレーション、顧客の関与、研究から生まれる新しいアイデアや経験などが含まれます。革新的な文化をもつ企業は、このすべてを受け入れる用意があります。このような文化では、通常、企業が多額のコストを費やさずとも、すべての従業員が効率、パフォーマンス、仕事の楽しさ、生産性の向上を目指します。
職場におけるイノベーションを支える12のアイデア
Engage for Success Surveyはマクラウドレポートとしても知られており、従業員エンゲージメントの高さとパフォーマンスの高さの関連性を確立するために、英国内の組織を調査したものです。この調査で強調されるのは、革新的な職場文化の可能性を引き出すためには、適切な条件を整えることが重要であるという点です。真正なイノベーション主導の文化がもたらすメリットを最大化するには、誠実さ、信頼、そして双方向のコミットメントとコミュニケーションが欠かせません。
イノベーションを推進するうえで検討すべきポイントを見ていきましょう。
1. イノベーションに備える
革新的な戦略を立てる前に、問題や障害に対処できているかどうかを確認します。自信のなさ、時間のなさ、従来のやり方への過度の依存など、革新的な思考を妨げる制約を認識します。その上で、従来のやり方を根本から変える新しい考え方を奨励します。組織全体が楽観的な考え方で業務に取り組み、現状に挑戦する自由が与えられて初めて、真の革新的な進歩がもたらされるのです。
2. 全員を巻き込む
革新的な企業文化は、すべての人を巻き込みます。定期的なアンケート、提案箱、フィードバックセッションを利用して、新しいアイデアに対するオープンな姿勢を示し、進捗状況や変化について随時フィードバックする方法を検討しましょう。真のダイバーシティとインクルージョンを実践している企業は、全員が議論に参加できるため、さまざまな経験や考え方がもたらすメリットを享受できます。
3. 全員が高いエンゲージメントをもっていること確認する
エンゲージメントとは信頼に基づくものであり、組織と従業員との双方向のコミットメントです。Gallup社の調査によると、エンゲージメントレベルの高さと、イノベーションレベルの高さには強い相関が見られます。
4. 革新的な考え方を高く評価し、報奨を与える
イノベーションの文化を持続させるためには、社員を正しく評価することが重要です。調査によると、優秀な業績で表彰されたことがあると回答した従業員の約88%が、積極的なイノベーションを奨励されたことが、高い業績を達成できた理由だとしています。
5. 従来のヒエラルキーをなくす
革新的な思考と実践に関しては、経験のレベルや会社での立場に関わらず、誰もが平等に役割を果たすことができます。最近の調査では、45%の従業員が、複数の管理職レベルの間の障壁をなくすことが、企業内で革新的な思考を生み出すうえで大きな課題となっていると回答しています。
6. 多様性のあるチームを採用する
真に革新的な企業は、心からイノベーションを求める人材、そしてさらに重要なこととして、非常に多様な経歴や経験をもつ人材を採用しようとするでしょう。これにより、議論やプロセスに、幅の広い貴重な視点がもたらされます。
7. 革新的な思考が公平性を損なわないようにする
革新的なアイデアを試す際には、安全性、包摂性、多様性、持続可能性を常に念頭に置く必要があります。
8. コラボレーションを奨励する
異なる役職レベルや部門からなるチームや個人を織り交ぜ、さまざまな視点からアイデアに取り組み、試行しましょう。以前の顧客や既存顧客が、イノベーションに関する貴重な知見を持っている可能性もあります。
9. フィードバックを提供し合う
公式なもの、非公式のものを問わず、フィードバックを学習の機会として重視する従業員が増えてきています。ミレニアル世代とZ世代は、働く場所に対して特にこだわりが強く、コラボレーションを一層重視した働き方を求めています。
また、ビジネスに対する要望や、製品やサービスの開発に役立つ提案を顧客に求めることでフィードバックを得ることもできます。これは双方にメリットをもたらす取り組みであり、ビジネスの未来を顧客とともに切り開いていきたいという決意を示すことができます。
10. イノベーションを起こすための時間と自由を確保する
イノベーションが優先事項であることを全員に理解させ、ブレインストーミングや新しいアイデアを議論する際には「既成概念にとらわれない」環境を構築します。美術、文芸、料理などのワークショップ、演劇、問題解決ゲームなど、創造性を高める活動を計画しましょう。ビジネスに関連したものから、新しい考え方やコラボレーションの方法、学び方を体験する機会まで、さまざまなものがあります。
11. 失敗を恐れない
失敗や失望はイノベーションの終わりではありません。調整し、適応し、学ぶチャンスなのです。
12. テクノロジーを道具として使う
職場におけるイノベーションと創作を支援するためのソフトウェアやプロジェクト管理ツールの種類は、ますます増えてきています。これには、アイデアを形にし、発展させるためのコラボレーションツールやVRとメタバースの活用も含まれます。
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